マルコフ過程(読み)まるこふかてい

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

マルコフ過程

次に起こる事象確率が、現在の状態に至るまでの経過とは関係なく、現在の状態によってのみ決定される確率過程のこと。たとえば、天気の移り変わりをマルコフ過程であるとし、雨の日の翌日の天気が晴れである確率が30%であるとすれば、今日の天気が雨の場合、翌日の天気が晴れになる確率は、前日までの天気の状態によらず30%となる。

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デジタル大辞泉の解説

マルコフ‐かてい〔‐クワテイ〕【マルコフ過程】

次に起こる事象の確率が、現在の状態のみによって決まり、過去の振る舞いに一切依存しない確率過程ランダムウオークなどの物理現象の時間発展に見られる。ロシアの数学者A=マルコフが考案

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法則の辞典の解説

マルコフ過程【Markoff process】

未来が現在だけから決まり,記憶をもたない過程をいう.ある時刻にある偶然事象が起きる確率は,その一つ前の時刻にどの事象が起きたかのみに依存し,それ以前の事柄にはまったく依存しない過程である.

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岩石学辞典の解説

マルコフ過程

観測が時間的順序を追って行われ,データ相互間に順序に応じた関連がある統計的な時系列データの過程の一つ.時刻tに偶然量のとる値の分布がt以前の過去の任意の一時刻t0にとった値だけに関係し,t0以前の履歴には影響されない確率過程.マルコフ過程のとる値が有限個または可算個のときマルコフ連鎖(Markov chain)という[長倉ほか : 1998].堆積過程の解析などに数多く用いられている.

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世界大百科事典 第2版の解説

マルコフかてい【マルコフ過程 Markov process】

時間とともに変動する偶然量の数学的モデルとしての確率過程{Xt,tT}を考える。Tは時間の集合,Xtは時刻tごとに定まる確率変数(偶然量の値)である。Xtの値を指定すると,t以後の変量{Xs,st}の確率法則が,t以前の変量{Xs,st}のあり方に無関係に定まるとき,確率過程はマルコフ過程と呼ばれる。Xtの値がxであるという条件の下で,s時間後の変量Xtsが集合Eに属する確率をマルコフ過程の推移確率という。

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大辞林 第三版の解説

マルコフかてい【マルコフ過程】

確率過程の一。ある確率法則に従って事象が進行する場合、現時点の状態のみに依存し、過去の履歴には無関係に展開する過程。気体の拡散の理論、遺伝学・社会科学などに応用される。数学者マルコフの名にちなむ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マルコフ過程
マルコフかてい
Markov process

ロシアの数学者 A. A.マルコフが解明した理論。一連の実験があって,各実験の結果は a1a2,…,an のいずれかで,おのおのの現れる確率がその直前の結果にだけ関係し,過去の履歴にはまったく関係しないとする。このような場合,この一連の実験をマルコフ過程またはマルコフ連鎖という。

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世界大百科事典内のマルコフ過程の言及

【確率過程】より

…時刻0からtまでの間に起きるある種の交通事故の件数をXt(ω)とするとき,{Xt(ω)}がポアソン過程とみなされる場合がある。 確率過程のうち,ガウス過程,定常過程,加法過程,マルコフ過程,拡散過程,マルチンゲールなどはもっともよく研究されている。
[ガウス過程]
 {Xt(ω)}を確率過程とする。…

※「マルコフ過程」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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