ギリシアのペロポネソス半島東部、アルゴリス地方にある古代都市遺跡。1999年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。「ミケーネ」は日本の慣用表記で、正しくはミュケナイ、現代ギリシア語ではミキーネMikínaiと発音する。英語名マイシーニーMycenae。伝説上はペルセウスの創建。アルゴリス平野を一望のもとに収め、同時に南北交通路・要所を押さえる位置にあって紀元前17世紀末に著しく台頭し、ミケーネ文明(後期のエーゲ文明)の重要な中心の一つとなった。その繁栄ぶりは、シュリーマン発掘の王墓や近傍の墳墓の豊かな副葬品、王宮、城壁・城門にしのばれる。前12世紀初めに破壊されたあとは放棄されたが、前7世紀末にはミケーネ時代の王宮跡にアテネ神殿が建立され、旧城壁の補修もなされた。この新生国家ミケーネは、ペルシア戦争に際して前480年にはテルモピレーに、翌年にはプラタイアイに兵を送ったが、その直後アルゴスの反感を買って町が破壊された。前3世紀に一時復興したが、その後はふたたび寒村と化した。
[馬場恵二]
出典 KNT近畿日本ツーリスト(株)世界遺産情報について 情報
アルゴス平野の北部にある古代ギリシアの城砦。ミケーネ文明の中心だったが,古典時代には衰え,ローマ時代には荒廃に帰した。1876年以来シュリーマンにより発掘され,ミケーネ文明の時代の王墓から多くの黄金製副葬品が出土した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…ギリシア本土,ペロポネソス半島北東部のアルゴリス地方にあるミュケナイ文明期の重要遺跡。ミケーネとも呼びならわされ,現代ギリシア語の発音ではミキーネ。近代ギリシアの独立後,1837年にアテネ考古学協会が設立され,41年に協会の一幹部が同協会の事業として試みたのがミュケナイ発掘の最初である。…
※「ミケーネ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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