メジナ虫症(読み)メジナチュウショウ

デジタル大辞泉の解説

メジナちゅう‐しょう〔‐シヤウ〕【メジナ虫症】

メジナ虫(ギニア虫)という回虫によって起こる風土病。回虫の幼虫を宿すミジンコなどを水とともに取り込むことによって感染する。回虫が成長すると多くは足先に移動し、皮膚を破って幼虫を放出する。その際、開口部に水疱(すいほう)ができ、腫れや痛みを伴い、細菌感染症を併発することが多い。アフリカの南スーダン、チャド、マリなどで発生。1986年に世界保健機関(WHO)が撲滅を目標に掲げ、汚染された水を飲まないよう教育活動が進められている。ギニア虫症ギニアワーム症

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

メジナ虫症
めじなちゅうしょう
Dracunculiasisguinea-worm diseases

寄生性線虫のメジナ虫が皮下に寄生しておこる寄生虫感染症。メジナ虫はギニアワームの別称もある。メジナ糸状虫症またはメジナ虫病、あるいはギニア虫病ともよばれる。WHO(世界保健機関)によって「顧みられない熱帯病」に指定されている。
 この寄生虫の幼虫を食べて感染した水中に生息するケンミジンコを、水と一緒に飲むことでヒトに感染する。アフリカや中近東などの、浄化処理されない水を飲料水とする地域に多く感染が発生する。幼虫は胃から小腸に入り、消化管壁を通って皮下組織に寄生したまま成虫となる。感染してから1年近くをかけて1メートル前後に成長した雌の成虫は、四肢とくに下肢の末端により近い部位の皮下組織に移行する。
 雌の体内で幼虫が発育すると、発疹(ほっしん)や発熱などの症状を伴い、皮下にかゆみと熱をもった水疱(すいほう)が形成される。水疱が破れるとその部位に潰瘍(かいよう)性皮膚病変を生じ、潰瘍が水と接触すると冷たさを感知し皮膚を破って激痛とともに成虫が体表にはい出し、同時に幼虫が水中に放出される。幼虫はふたたびケンミジンコに感染する。
 治療は駆虫薬の内服のほか、1メートル前後もある虫体を棒で徐々に巻き取っていく治療法が行われている。メジナ虫の幼虫に感染したケンミジンコを水と一緒に飲み込まなければ感染しないことから、流行する地域では濾過(ろか)した浄化処理水や水道水を摂取する啓蒙運動が行われ、感染者数は大幅に減ってきている。[編集部]

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