動物や乗物の模型を回転する円盤に固定した遊戯機械。回転木馬とも呼ばれる。馬上試合に由来するスポーツの練習機が1860年ころフランスで考案され,しだいに優雅な遊びに変わったのが起原と考えられる。70年ころ,イギリスのサベッジFrederick Savage(1828-97)が,蒸気機関によって円盤を回転させ,クランクで木馬を上下させる装置のパテントを取り,製作を開始した。黄金時代を迎えたのは,20世紀初頭のドイツである。なかでもハッセHugo Haaseが1907年に製作した〈エル・ドラド〉は,当時の技術と芸術の精華といわれ,アメリカを経て現在は東京の豊島園にある。日本での初登場は1903年大阪の第5回内国勧業博覧会で,当時は快回機と訳された。常設は07年ころの浅草で,ついで12年同じ浅草のルナパーク,さらに花屋敷にも導入された。小説などに取り上げられた有名な木馬館は,18年に昆虫館が改装されたものである。
執筆者:中藤 保則
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回転木馬。遊園地や児童向き娯楽場などの主要遊戯乗り物の一つ。円形プラットホームに、主として木馬、その他の動物や馬車などの形をした座席があり、モーターの動力でプラットホームとともに回転し、木馬などは同時に上下運動する。中世ヨーロッパの騎士たちの、馬上からのやり投げ練習道具として考案されたカラセルcarouselがその発祥といわれ、このため欧米ではいまでもこの名でよばれることが多い。8世紀の初頭イギリス、フランスでいまのメリーゴーラウンドに近いものが、祭りの催し物として設置されるようになった。初め回転は人力によったが、1863年、イギリス人ブラッドショーが動力の機械化を考案した。
日本に登場したのは、1903年大阪で行われた内国勧業博覧会で、常設されるようになったのは1907年ころの浅草の遊園地である。スリル中心の現在の遊園地娯楽施設のなかにあって、メリーゴーラウンドの牧歌的雰囲気が、いまも幼児から高年齢層にまで愛されている。
[梶 龍雄]
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…このほか動かないもの,手で揺り動かすもの,車つきで引いて移動させるものなどがある。木馬を数多く取りつけ回転させて遊ばせるのが遊園地などに設置されているメリーゴーラウンドである。そのほか小銭を入れると馬が上下に動いて回転する電動式のものがある。…
※「メリーゴーラウンド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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