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モーリツ Móricz Zsigmond

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

モーリツ
Móricz Zsigmond

[生]1879.7.2. ティサチェーチェ
[没]1942.9.4. ブダペスト
ハンガリーの小説家。地方の上流社会の皮相さや農民の生活をリアルに描き,鋭い社会批判を含む多くの長短編小説によってハンガリーのリアリズム文学を確立した。出世作となった『7クライツァール』 Hét krajcár (1908) をはじめ多くの短編集があり,長編小説には『泥金』 Sárarany (10) ,『神のうしろで』 Az Isten háta mögött (11) ,『親類縁者』 Rokonok (32) ,『ダンス』 Bál (36) などがある。自伝的要素の濃い『死にいたるまで善人であれ』 Légy jó mindhalálig (21) は児童文学の代表作。

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百科事典マイペディアの解説

モーリツ

ザクセン公(1541年―1547年),ザクセン選帝侯(1547年―1553年)。新教徒であったが,1546年カール5世と結んで新教側(シュマルカルデン同盟)のザクセン選帝侯ヨハン・フリードリヒを攻め(シュマルカルデン戦争),その功で選帝侯となった。1551年以後は新教側に味方し,1552年,カール5世にアウクスブルク信仰告白を承認させ,一時的に信仰の自由を得た。

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世界大百科事典 第2版の解説

モーリツ【Moritz】

1521‐53
ドイツのザクセン公。在位1541‐53年。ルター派であったが,宗教にとらわれることなく政治的に行動し,宗教戦争中のドイツの政治情勢を左右した。20歳でアルベルト系ザクセン公家を継ぎ,シュマルカルデン戦争で皇帝カール5世の側について,エルンスト系ザクセン領の一部と選帝侯位を譲渡させたが,1552年プロテスタント諸侯の側に回って皇帝を破り,パッサウPassau条約を結ばせて,皇帝のカトリック強制政策を撤回させた。

モーリツ【Karl Philipp Moritz】

1756‐93
ドイツの作家。放浪癖の強い,複雑な性格の人物で,主たる活動領域は,創作,文芸理論,心理学であった。貧しい家庭,敬虔主義的雰囲気,暗い時代環境などを背景に展開される《アントーン・ライザー》(1785‐90)は,自伝的心理小説のジャンルを開拓した作品である。またゲーテと親交のあった古典主義の理論家として,芸術作品を自己完結的なものとみなし,芸術の自律性を唱えた。【岩村 行雄】

モーリツ【Móricz Zsigmond】

1879‐1942
ハンガリーの作家。農村の出で,父親の仕事の失敗で幼少より窮乏生活を送る。その頃の体験をつづった短編《七クロイツァール》(1908)で一躍文壇に認められ,作家生活に入る。各地を取材して歩き,農村や地方町の支配層の退廃した生活や貧しい農民の姿をリアルに描き出し,社会派の作家として人気を博した。代表作に《泥金》(1910),《神の背後で》(1911)がある。後に《ニュガト(西方)》から離れ,独自のハンガリー的リアリズムを確立した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

モーリツ
もーりつ
Mricz Zsigmond
(1879―1942)

ハンガリーの小説家。農村出身で、神学、法学を学んだのち新聞記者となる。短編『七クロイツァー』(1908)で一躍文壇に認められ、『泥金』(1911)、『神の背後で』(1911)などの農村をテーマとした長編で、自然主義からリアリズム作家に脱皮した。因習にとらわれた中産階級の生活を描く『ウリ・ムリ』(1928)や、農民の窮乏生活を物語る『幸せな人』(1935)など、いずれにも人間を突き放さない、作者の暖かい目が感じられる。ハンガリー近代散文学の祖であり、ハンガリー・リアリズムの創始者ともいわれる。ほかに歴史小説『トランシルバニア』三部作(1922~35)、自伝的児童文学『死に至るまで善良であれ』(1921)などの作品もある。[岩崎悦子]

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世界大百科事典内のモーリツの言及

【ハンガリー】より

…しかし1989年以後,これは半民営化され,市場経済の中に組み込まれようとしている。 文化活動では,リスト,コダイ,バルトークの伝統を引き継いだ音楽,ペテーフィ,アディ,イエーシュ,ネーメト,モーリツらの伝統を受けた文学など,多彩なものがある。いずれの分野においても,都市的な〈近代主義〉と農村的な〈人民主義〉の2要素の対抗関係で語られることが多い。…

※「モーリツ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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