ヤツデ(八つ手)(読み)ヤツデ(英語表記)Fatsia japonica; yatsude plant

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤツデ(八つ手)」の意味・わかりやすい解説

ヤツデ(八つ手)
ヤツデ
Fatsia japonica; yatsude plant

ウコギ科の常緑低木。関東地方以南の暖地の海岸に近い林下に生えるが,庭木として最も普通に栽植されている。茎は根もとから数本集って出て,あまり分枝せず,半月形の葉痕があり,中心に太く白い髄がある。葉はうちわ状に7~9深裂し,直径 20~40cm,質厚く光沢があり,若いときには花序とともに茶褐色綿毛でおおわれるが,のちに無毛となる。晩秋から初冬にかけて,茎頂に大きな円錐花序をつけ,初めは早落性白色の包葉に包まれる。両性花と雄花とがあり,花は白色で萼は不明瞭。花弁おしべはともに5個ずつ,めしべの花柱は4~6本に分れる。果実は球形翌春に黒く熟する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android