ヤマト運輸(読み)やまとうんゆ

共同通信ニュース用語解説 「ヤマト運輸」の解説

ヤマト運輸

1919年に東京創業。76年に「宅急便」の名称で知られる宅配事業を開始した。国土交通省によると、2022年度の取扱個数は約23億4千万個と市場シェアの半分弱を握る。持ち株会社の23年3月期連結決算は売上高に当たる営業収益が1兆8006億円、純利益は458億円だった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤマト運輸」の意味・わかりやすい解説

ヤマト運輸(株)
やまとうんゆ

宅配便のトップ企業。1919年(大正8)東京・京橋に大和(やまと)運輸として創業。1929年(昭和4)東京―横浜間で日本初の路線トラック定期便を開始、定期便を関東一円に拡大した。第二次世界大戦後は、まず関東一円の路線網拡充の方針をとり、1950年代後半以降、東京―大阪間など長距離路線を目ざしたが、石油危機契機に取扱い輸送量は激減した。1971年(昭和46)に2代社長に就任した小倉昌男(1924―2005)は、個人の荷物など非商業貨物に重点をおく営業に、社運をかけて転換を図り、76年関東一円で小口貨物の宅配システム「宅急便」の営業を開始した。この「宅急便」が急成長し、1989年(平成1)には配達エリアが離島を含む全国に拡大した。この間、1982年に社名をヤマト運輸と改称、エリア拡大の障壁である運輸免許行政に風穴をあけるため、各地の事業者の買収を図る一方、行政当局との間にも数々の衝突が発生した。また「引越らくらくパック」「クール宅急便」など新サービス商品を開発、国際宅急便にも進出し、1990年にはアメリカ最大の宅配業者UPS社と合弁会社を設立した。2005年、ヤマトホールディングス商号変更純粋持株会社に移行。会社分割により新会社のヤマト運輸が設立された。ヤマト運輸の資本金500億円(2005)。

[中村青志]

『ヤマト運輸株式会社社史編纂委員会編『ヤマト運輸70年史』(1991・ヤマト運輸)』

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百科事典マイペディア 「ヤマト運輸」の意味・わかりやすい解説

ヤマト運輸[株]【ヤマトうんゆ】

宅配便のパイオニアで国内首位。1919年トラック4台をもち大和運輸として東京で創業。1974年業界で初めて貨物輸送に全国オンラインシステムを導入。1976年に一般家庭を対象とした〈宅急便〉(商標)をコンピューターを駆使して開始し,宅配便の最大手となる。1982年現社名に変更。宅配便市場でのシェアは約40%,〈引越らくらくパック〉,〈クール宅急便〉,翌朝配送,集金代行,タイムサービスなどつぎつぎと高付加価値サービス化を推進。その他に海上貨物の国際複合一貫輸送,美術品輸送も。2005年純粋持ち株会社ヤマトホールディングスへ移行。本社東京。2011年資本金1272億円,2011年3月期売上高1兆2356億円。売上構成(%)は,デリバティブ81,BIZロジ7,ホームコンビニ4,eビジネス3,フィナンシャル4,その他2。海外売上比率1%。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤマト運輸」の意味・わかりやすい解説

ヤマト運輸
ヤマトうんゆ

シェア4割でトップの宅配便を主力とする貨物運送会社。 1929年大和運輸として設立。その後,多数の運送会社の合併や経営引継ぎを行い,73年にヤマトシステム開発,77年に極東リースを設立,また 77年に大東通運,翌 78年に利根貨物自動車の路線部門を買収。 82年現社名に変更。翌 83年芸備自動車の経営を引継ぐ。陸運に加え,航空事業,海運,トラベルサービスなども手がけ,国際宅配便事業にも乗出す。事業内容は,貨物自動車運送 92%,貨物運送取扱5%,その他3%。年間営業収入 7676億 5500万円 (連結) ,資本金 1063億 7800万円,従業員数7万 4880名 (1999) 。

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