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ヨモギ ヨモギArtemisia princeps; Japanese mugwort

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヨモギ
ヨモギ
Artemisia princeps; Japanese mugwort

キク科の多年草。別名カズサヨモギモチグサともいう。本州以南の日本,朝鮮半島および南西諸島から台湾に分布し,山野に最も普通にみられる植物の一つである。茎は多数分枝して,高さ 50~100cmに達し,地下茎は横にはい,つる枝を出す。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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百科事典マイペディアの解説

ヨモギ

カズザキヨモギ,モチグサとも。キク科の多年草。本州〜九州,東アジアの温〜暖帯の山野にふつうにはえる。茎は多く分枝し,高さ50〜100cm,葉は互生し,楕円形で羽状に裂け,下面には灰白色の毛がある。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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栄養・生化学辞典の解説

ヨモギ

 [Artemisia indica],[A. princeps].キク目キク科ヨモギ属の多年草で,草もちを作るなど食用になる.

出典|朝倉書店
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食の医学館の解説

よもぎ【ヨモギ】

《栄養と働き&調理のポイント
 各地に野生しているキク科の雑草で、乾いた道ばたに、よく生えています。
 香りが高い草で、万能薬草といわれるほど薬効が高く、栄養価も高いことから、健康食として注目されています。
○栄養成分としての働き
 良質の葉緑素を含んでいるので末梢血管(まっしょうけっかん)を拡張し、新陳代謝(しんちんたいしゃ)を高めます。造血にも役立つので、貧血の予防に効果的。
 栄養成分ではカロテンビタミンE、B1、B2、葉酸(ようさん)、Cなどを含み、免疫力を高めて肌の健康を保ちます。鉄分も多く含むため、葉緑素とともに造血作用を促進します。
 食物繊維も多く、便秘(べんぴ)大腸がん予防によいとされています。
 いずれにしてもビタミン、ミネラルともバランスよく含んでおり、高血圧、心臓病の予防にも有効です。
 重曹(じゅうそう)を入れた湯でゆで、水にさらしてアクを抜いてから使います。モチ米に混ぜて草モチやヨモギだんごなどにするのが一般的です。
○漢方的な働き
 漢方薬では、婦人病の改善によく利用されています。
○外用としての利用法
 葉を木綿袋に入れて湯船に入れると、高い温熱効果で湯冷めをしません。腰痛、神経痛、痔(じ)の痛みにも効果が期待できます。

出典|小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヨモギ
よもぎ / 蓬・艾・蒿
[学]Artemisia

キク科ヨモギ属の総称。約250種ほどあり、世界に広く分布し、砂漠にも生育する。多くは多年生の草本であるが、小低木もある。葉や果実などが食用や薬用にされるものが多い。花は風媒花で、花が大きくて美しいキクの仲間から、虫のいない乾燥した地域に広がる際に風媒花になったといわれている。春、荒れ地の枯草の中にいち早く緑色の姿をみせるのがヨモギA. princeps Pamp.やニシヨモギA. indica Willd.である。茎はよく分枝し、直立して数十センチメートルになる。葉は互生し、細かく切れ込み、裏面に灰白色の軟毛を密生する。秋、茎上部の小枝に、黄白色の小さい頭花を下向きに多数つける。地下茎はよく発達し、繁殖力が強い。ヨモギは本州から朝鮮半島まで、ニシヨモギはインドから中国、東南アジアを経て西日本まで分布する。
 これらのほか、本属の植物としてよく知られるものに、オトコヨモギ、カワラヨモギ、タラゴン、ヒメヨモギ、ヤマヨモギ(別名エゾヨモギ)がある。[小山博滋・星川清親]

食用

ヨモギは濃緑色の葉菜類に似て、ビタミンやカルシウムに富む。春先に一斉に出る若葉を摘み集めて、ゆでてから草餅(くさもち)や草団子に入れ、美しい緑色と香りをめでる。このためモチグサの別名で広く親しまれている。若葉はゆでてあくを抜いてから、ひたし物や汁の実とし、また飯に混ぜてよもぎ飯にする。葉は土瓶で煎(せん)じて塩味をつけて飲用する。これをよもぎ茶とよび、淡緑色で香気が好まれる。[星川清親]

薬用

漢方ではヨモギの葉を艾葉(がいよう)といい、止血、鎮痛、強壮剤として冷えによる子宮出血、月経不順、月経痛、痔(じ)出血などの治療に用いる。また、民間では生(なま)の葉を切り傷、打ち身、腹痛、水虫、たむしなどに外用したり内服する。灸(きゅう)に用いる熟艾(もぐさ)は乾燥した茎葉からつくる。茎葉を臼(うす)でよく搗(つ)くと、葉肉と葉脈などが細粉となり、葉裏の長いT字毛がもつれて綿状の塊となる。これを篩(ふるい)にかけて毛だけを分取したものが、もぐさである。主産地は新潟県。ヤマヨモギの葉もヨモギと同様に用いる。中国ではヒメヨモギを用いる。これが真正のもぐさである。[長沢元夫]

文化史

ヨモギ類は特有の臭気があり、それに降魔(ごうま)の力を秘めるとの見方は、洋の東西を問わず古くから行われた。ディオスコリデスは、古代エジプトの女神イシスに仕える神官が、オリーブの枝がわりにヨモギを儀式に使うと述べている(『薬物誌』)。プリニウスも、古代ローマのマギ僧はこれを身につけ、毒や野獣の害から守ったと書いている(『博物誌』)。中世のヨーロッパでは魔術や呪術(じゅじゅつ)に使われ、庶民は夏至の前日に摘んで編み、頭にかぶって病気や厄除(やくよ)けとした。
 中国の『荊楚歳時記(けいそさいじき)』(6世紀)によると、5月5日にヨモギで人形や虎(とら)をつくり、門上に掲げ、毒気を払った。現在も中国の中南部でこの日にヨモギの葉で身を清める風習が残る。これは日本にも伝わり、『万葉集』では大伴家持(おおとものやかもち)が「……ほととぎす来鳴く五月(さつき)の菖蒲草(あやめぐさ)(よもぎ)かづらき酒宴(さかみづき)……」と歌った(巻18)。『枕草子(まくらのそうし)』でも、5月の節句に菖蒲(しょうぶ)、蓬を刈り、家の屋根に葺(ふ)き渡すと述べられている。
 アイヌもヨモギを呪術に使い、魔除けの人形をつくった。葉はゆがいて乾燥させて保存し、粟(あわ)などと団子にして食べた。若葉は刻んで粥(かゆ)にかけた(知里真志保(ちりましほ)著『分類アイヌ語辞典』植物篇(へん))。沖縄では野菜として市場に並び、これを入れたフーチーバジューシとよぶ雑炊が好まれる。[湯浅浩史]

文学

『万葉集』には「菖蒲草(あやめぐさ)(よもぎ)かづらき」(巻18)とあるので、その霊力にあやかって蘰(かずら)(髪飾り)にしたことが知られる。平安時代になると、浅茅(あさじ)や葎(むぐら)とともに荒廃した邸宅を象徴する景物となり、「蓬生(よもぎふ)」などという歌語が生じた。『拾遺集(しゅういしゅう)』に「いかでかは訪ね来つらむ蓬生の人も通はぬ我が宿の道」(雑賀(ぞうが))とあり、平安後期以後になると、「蓬の宿」「蓬が末」「蓬が露」「蓬が中」「蓬がもと」など多様な形の語句として用いられるようになる。『源氏物語』には末摘花(すえつむはな)の屋敷の荒廃を描いた「蓬生」の巻があり、『枕草子(まくらのそうし)』には「草は」の段に「いみじうをかし」と記している。艾(もぐさ)としては、『百人一首』の藤原実方(ふじわらのさねかた)の歌「かくとだにえやはいぶきのさしも草さしも知らじな燃ゆる思ひを」がよく知られる。季題は春。「餅草(もちくさ)」などもある。[小町谷照彦]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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