ライリー(読み)らいりー(英語表記)Bridget Riley

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ライリー」の意味・わかりやすい解説

ライリー(Bridget Riley)
らいりー
Bridget Riley
(1931― )

イギリスの画家、版画家。ロンドンに生まれる。ゴールドスミス美術学校(1949~52)、王立美術学校(1952~55)に学ぶ。1965年「応答する眼(め)」展(ニューヨーク近代美術館)でオプ・アートの代表的作家として国際的評価を得る。68年ベネチア・ビエンナーレ受賞。初めは、白と黒による小さな三角形の組合せや、縞(しま)模様の曲線によって人の目に波動して見える視覚効果を追求したが、67年から色彩を使い始める。80年(昭和55)東京国立近代美術館で「ブリジット・ライリー展」が開催された。東京国立近代美術館に『讃歌(さんか)』(1973)、千葉県佐倉市の川村美術館に『朝の歌』(1975)がそれぞれ収蔵されている。

[斉藤泰嘉]

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百科事典マイペディア 「ライリー」の意味・わかりやすい解説

ライリー

米国の作曲家,即興演奏家。カリフォルニア州生れ。ピアノと作曲を学んだのちP.オリベロス〔1932-〕とともに即興演奏のグループを結成し,ポップスジャズの奏者と交流。作品にはインド音楽の影響が顕著で,1960年代半ばから即興性に重きをおく独自の〈反復〉音楽を開拓。S.ライヒらとともにミニマル・ミュージック立役者となる。初期の代表作に《インC》(1964年)があり,自ら即興も行う一連の作品は,欧米作曲界のみならずポップ音楽にも大きな影響を与えた。その後の代表作に,オルガンによる即興作品《シュリー・キャメル》(1976年),ジャズやロックを含めた現代作品の演奏で知られるクロノス・クァルテット(1973年米国で結成)のために書かれた長大な弦楽四重奏曲《平和のためのサロメ・ダンス》(1985年−1986年)など。

ライリー

英国の画家。ロンドン生れ。1959年スーラ点描主義の視覚的な効果に注目し,1960年から白と黒の小さな形態や曲線が生み出す波状パターンの視覚効果を追求する。1956年の〈感応する眼〉展(ニューヨーク近代美術館)に出品し,オプ・アートの代表的な画家となる。1967年から複数の色彩を取り入れ,より複雑でデリケートな空間の創出を試みている。代表作《流れ》(1964年,ニューヨーク近代美術館)に見られるように,曲線パターンを巧みに操作した作品で知られる。
→関連項目バザレリ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ライリー」の意味・わかりやすい解説

ライリー
Riley, Terry Mitchell

[生]1935.6.24. カリフォルニア,コーファックス
アメリカの作曲家。 1955~57年サンフランシスコ州立大学で作曲を学び,61年カリフォルニア大学修了。前衛芸術家グループ「フルクサス」運動に参加。 64年,持続されるC音のパルスと 53種の音型を任意に反復する『インC』を作曲,ミニマル・ミュージックの代表作となった。 70年よりパンディット・プランナートに師事してインド音楽を学び,大きな影響を受けて『シュリー・キャメル』 (1977) などの瞑想的音楽を作曲。電子楽器を用いて盛んに即興活動を展開する一方,80年以降は純正調に調律したピアノによる作曲も行なっている。

ライリー
Riley, James Whitcomb

[生]1849.10.7. インディアナ,グリーンフィールド
[没]1916.7.22. インディアナポリス
アメリカの詩人。少年時代からさまざまな職業につきながら放浪生活をおくり,のちジャーナリズムに関係,インディアナ方言を駆使して中西部の農民を歌った,感傷的あるいはユーモラスな詩によって認められた。詩集に『オールド・スイミング・ホール』 The Old Swimmin' Hole and 'Leven More Poems (1883) ,『子供の歌』 Rhymes of Childhood (90) ,『故郷の歌』 Poems Here at Home (93) などがある。

ライリー
Riley, Bridget Louise

[生]1931.4.25. ロンドン
イギリスの女性画家。ゴールドスミス美術学校,ロイヤル・アカデミーに学ぶ。ヨーロッパを旅行し,イタリアの未来派に強い影響を受けた。 1961年初めて抽象画を描き,1960年代にはオプティカル・アートの代表的画家と目された。黒白のグラフィックな抽象画を多く描いたが,1970年代になって色彩を用い,形や色の感情との関係を追究している。

ライリー
Riley, John

[生]1646. ロンドン
[没]1691. ロンドン
イギリスの画家。 I.フラーに師事し,1670年頃からロンドンで肖像画家として活躍。有名人の肖像を数多く描いた。主要作品はロンドンの国立肖像絵画館に収蔵されている。

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