改訂新版 世界大百科事典 「ラコリス」の意味・わかりやすい解説
ラコリス
laccolith
供餅のように上方にふくらんだ逬入岩体。餅盤(べいばん)ともいう。水平に近い地層の間にマグマが貫入して,その上盤の地層をおし上げて,地層と整合になっている。ラコリスは小さいものでは均一の岩石からできている。しかし,やや大きいものでは,岩体の上下の端は,マグマが急冷されて細粒の火成岩になっているが,岩体の中央部はゆるやかに冷却・結晶して,粗粒な岩石になっていることが多い。そして,結晶作用の初期に晶出した鉱物が,マグマのなかを沈降し,岩体のなかの比較的下部に集積して,結晶分化作用がみられることもある。ロポリスのように大きくはない。しかし,ロポリスと同様に,地層があまりいちじるしい地殻変動をうけていない大陸地域にある。ラコリスをつくる岩石には,モンゾニ岩,セン長岩,斑レイ岩などが多い。
→火成岩
執筆者:諏訪 兼位
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報