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ラード lard

翻訳|lard

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ラード
lard

豚肉の脂肪部分を抽出した食用油脂。脂肪酸組成はパルミチン酸 28%,ステアリン酸 13%,パルミトレイン酸 3.0%,オレイン酸 46%,リノール酸 10%,リノレン酸 0.7%,アラキドン酸 2.0%。牛脂や羊脂に比べリノール酸,リノレン酸,アラキドン酸などの高級不飽和脂肪酸の含量が多く,融点が低く人間の体温に近いため舌ざわりがよい。豚の脂肪は純白で固く,弾力性のあるものがよいが,これは肥育飼料と密接な関係があり,芋類,麦類が適している。しかし動物性脂肪は植物性脂肪の進出によって需要が著減しており,豚の品種もラード型からベーコン型,ないしはその中間のミート型に移行する傾向が強い。

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百科事典マイペディアの解説

ラード

豚脂とも。ブタの脂肪を溶かして固めたもの。腎臓周辺からとるリーフラードが高級で,この中で遊離脂肪酸を含有しない中性ラードが最良。ヘット(牛脂)より融点が低く,揚物,いため物などに使われる。
→関連項目ショートニング動物油脂

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栄養・生化学辞典の解説

ラード

 豚脂ともいう.ブタの脂肪組織から調製する脂肪.

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世界大百科事典 第2版の解説

ラード【lard】

豚の脂肪組織をレンダリング法(〈ヘット〉の項目参照)によって溶出,ろ過したもの。豚脂ともいう。欧米では良質のものをレンダリングし,そのまま未精製で食用に供しており,それをラードといっているが,日本では豚脂とラードは同じものとして通用している。ラードは原料の脂肪組織の豚体における部位によって融点やヨウ素価が異なる。内臓の蓄積脂肪は一般に硬く融点は35~40℃,ヨウ素価は低く57~60である。とくに腎臓周囲の脂肪は硬く高級品でリーフラードleaf lardといわれる。

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大辞林 第三版の解説

ラード【lard】

豚の脂肪組織を加熱・精製した乳白色で半固体の油。料理などに用いる。豚脂。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ラード
らーど
lard

ブタの脂肪組織から溶出法で採取される脂肪。豚脂ともいう。とくに腹部の脂肪層に良品質のものが多い。ちなみに、腎臓(じんぞう)周辺の脂肪組織から採取されたものは最高品質である。含油量は腹部80%程度、背部70%程度。日本ではかつてラードをほとんど生産せず、アメリカなどから輸入していたが、近年はかなりの量のラードを生産している。ほとんどのラードは湿式溶出(水蒸気溶出)で得られるが、乾式溶出で得られるものは、風味が強い。白色で風味が良好なものが、良品質である。ヨウ素価46~70。室温では柔らかい固体で、融点は28~48℃。ラードには中性ラード、リーフラード、かま製ラード、スチームラードなどがある。良品質のラードは、融点が高く、ヨウ素価が低い。主要成分脂肪酸はオレイン酸で含有量は40%。ほかにパルミチン酸30%程度、ステアリン酸10%程度、リノール酸7%程度を含む。なお、コレステロールを含有している。過剰に食すれば、心臓関係のアテローム性動脈硬化症を発生しやすい。ラードはヘット(牛脂)に比し柔らかいから、食用脂肪としていっそう適切である。マーガリン、硬化油に用いられる。ラードを冷凍し、粒状にして圧搾すれば、食用に供するラードステアリンとラード油とを得る。
 食用に供しないラードはグリースとよばれる。しかしすべてのグリースがブタの脂肪とは限らない。グリースということばは、粘りがあれば他の非食用脂肪のときにも使用される。グリースは、色により白、黄、茶グリースといわれる。非食用ラードは、せっけんに用いられる。また、ラード油は高度の潤滑効果を有し、切削油として広く用いられる。しかしやや変質しやすい。[福住一雄]

食用

JAS(ジャス)(日本農林規格)ではラードを豚脂100%の純製ラードと、精製した豚脂に他の油脂(牛脂、パーム油など)を調合した調製ラードに分類し、規格化している。固型脂肪としては、牛脂に比べ、口中での融点が低く、食べたときに滑らかさや特有のフレーバーがあるため、調理用としてよい油脂である。とくに中国料理では揚げ物や炒(いた)め物、菓子類に欠かせない油脂で、脂肪の多い部位の豚肉を加熱して、自家製のものもよく用いられる。用途は、家庭での調理用以外に業務用の揚げ油(ドーナツ、フライ、とんかつ、コロッケなど)として使われ、加工食品ではマーガリンやショートニングの原料や即席ラーメン、カレールウなどに用いられる。製パン・製菓用の油脂としては、品質の一定したショートニングのほうが多く用いられている。[河野友美]

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