動物体から得られる油脂で,常温で液体の動物油と固体である脂肪とに分類される.動物油は陸産動物油(ほ乳類,鳥類,両せい類,昆虫類,は虫類)と水産動物油(魚油,肝油,海獣油,貝油)とに大別され,脂肪は体脂(牛脂,豚脂など)と乳脂(バター脂など)とに大別される.動物油では海産動物油がイワシ酸のような不飽和度の高い脂肪酸を多く含有し,ヨウ素価が高く,乾燥性に富んでいるのに比べて,陸産動物油は脂肪が多く,成分はオレイン酸を主成分に,そのほか,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸を少量しか含んでいないので,性状は植物性の不乾性油に似ている.食用とするほかに,潤滑剤,せっけんの製造原料に用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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…しかしマッコウ鯨油は液状蠟,木蠟は脂肪であり,これらの名称と化学組成が一致しないものもあることなどに留意しなければならない。
[脂肪の種類と分類]
油脂は動物,植物を問わずエネルギー源として蓄えられているもので,植物から採取した植物油脂と,動物から得た動物油脂に大別される。植物油脂はオレイン酸(炭素数18,C18)のような不飽和度の低い直鎖脂肪酸が多く,木蠟,ヤシ油などを除き,ほとんどが植物油で,その性質によって乾性油,半乾性油,不乾性油の3種に分ける。…
※「動物油脂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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