リコーダー(英語表記)recorder

翻訳|recorder

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

リコーダー
recorder

縦吹きのフルート属の楽器。中世からバロック期にかけてよく用いられた。 1511年の S.ビルドゥング,35年の S.ガナッシの理論書に構造と奏法に関する記述が残っている。バッハ,ヘンデルの作品にも使われた。その後忘れられていたが,1919年に A.ドルメッチがバロック期の型を復興させ,現在も使われている。

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百科事典マイペディアの解説

リコーダー

木管楽器の一種。縦吹きのフルート。ブロックフレーテ(ドイツ語),イングリッシュ・フルートともいう。吹口に栓(せん)がつめられ,ここを通った空気が歌口に当たって発音。指孔は前面に7個,背面にオクターブ用1個。16〜18世紀に盛んに用いられたがその後忘れ去られ,19世紀末以来の〈古楽復興〉の気運の中でハープシコードなどとともに復活した。第2次世界大戦後は名手ブリュッヘンらの活躍で面目を一新し,その後も女性奏者M.ペトリ〔1958-〕ら多くの演奏家が輩出。この楽器のための新作も少なからず誕生している。ソプラノ(デスカント),テノール,およびヘ調のアルト(トレブル),バスが一般的。→古楽
→関連項目ピンクージョマンロー

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世界大百科事典 第2版の解説

リコーダー【recorder】

洋楽の管楽器の一種。エア・リードの,つまり広義のフルートに属し,指孔は前面に7,背面に1の計8個。英語の動詞recordに,古くは鳥の〈さえずる〉意味があり,語源かといわれる。縦に構え上端をくわえて吹く。上端は栓をしてあるが,1ヵ所だけ空気の通るすきまをあけ,呼気を近くの歌口に導くようになっている。また不要部を削ってくわえやすくする結果,外観はくちばし)状をなす。別名ブロックフレーテBlockflöte(ドイツ語)は管端の栓(ブロック)から,フリュート・ア・ベックflûte à bec(フランス語)は嘴(ベック)からきている。

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大辞林 第三版の解説

リコーダー【recorder】

木製の縦笛。弱く柔らかな音色をもつ。中世からバロック時代にかけて愛用され、様々な音域のものがある。ブロックフレーテ。レコーダー。 〔日本ではプラスチック製のものが、学校教育で使用されている〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

リコーダー
りこーだー
recordercommon fluteEnglish flute英語
Blockflteドイツ語
flte becフランス語
flauto direttoイタリア語

リードを用いない気鳴楽器の一種。いわゆる縦型フルートに属し、ブロックフレーテなど多くの名称をもつ。
 西欧諸国では、ルネサンス時代から18世紀中ごろ、とくにバロック時代に非常に愛好され、当時は単にフルートといえばこの楽器をさした。A・スカルラッティ、ビバルディ、テレマン、バッハら多くの作曲家がリコーダーのための作品を書いている。しかし、18世紀中期になると強弱変化の激しい音楽が登場し、強弱の幅が狭いこの楽器は、18世紀の後期ごろからしだいに用いられなくなり、やがて芸術音楽の場から姿を消す。リコーダーの復原および復興は19世紀末になされた。それはイギリスのドルメッチらに負うところが大きく、以後芸術音楽や教育用楽器として広く普及するようになった。近年の名手としては、フランス・ブリュッヘンなどがあげられる。
 現在一般に用いられているリコーダーはバロック時代のものをもとにした形で、バロック型とよばれる。ソプラニーノ(F管、音域はF5~G7)、ソプラノ(C管、C5~D7)、アルトまたはトレブル(F管、ソプラニーノの一オクターブ下)、テナー(C管、ソプラノの一オクターブ下)、ベースまたはバス(F管、アルトの一オクターブ下)、グレートベースまたはコントラバス(C管、テナーの一オクターブ下)の6種あり、順に大型になる。全管とも通常の音域は二オクターブと一全音であるが、指遣いによってさらに高音域を拡大することもできる。材質は木製のものが多いが、学校教育用を中心にプラスチック製の楽器も広く普及している。
 楽器は頭部・中部・足部の三管に分かれ、足部がやや広がった形であるが、内部は下端へ向かってややすぼまる逆円錐(えんすい)形をしている。使用時に組み立てるはめ込み式になっているが、ソプラニーノやソプラノといった小型の楽器は足部管が分かれていないものも多い。頭部管には上端部に吹口、前面に歌口がある。歌口は管を上向きに切り込んで四角い小窓をあけたもので、この斜面と管の内面でエッジができている。管の上端は栓(フィップル)でふさぎ、この栓と内壁に彫られた細長い溝によって気道を形づくる。管の上端と栓の形はくわえやすいようにくちばし形に整えてあり、これが吹口となっている。ただし、ベース以下の大型の楽器では、直接管の上端をくわえると下のほうの指孔に手が届かなくなるため、吹口をつくらずに吹き込み管(クルック)を取り付ける。フルートのようにエッジに直接息を当てるのではなく、気道を通して発音させる仕組みである。中部管には、歌口の側(前面)に6個、背面に1個の指孔がある。背面の指孔は親指で操作し、わずかに開くことによって二オクターブ目以上の音を出しやすくする働きをする。足部管には1個の指孔がある。現代の楽器では前面の七孔のうち下の二孔は、隣接した小さな2個の孔で1個の機能となるよう設計されている。これは、最低音域でも半音が得られるようにするためである。
 なお、インドネシアのスリンなどは同じ発音原理の楽器であるが、スリンの場合は気道が管の外壁に沿って設けられており、歌口は背面(奏者側)に設けてある。[卜田隆嗣]
『H・M・リンデ著、北御門文雄訳『リコーダー演奏の技法』(1980・全音楽譜出版社) ▽H・M・リンデ著、矢沢千宜・神谷徹訳『リコーダー・ハンドブック』(1984・音楽之友社) ▽E・ハント著、西岡信雄訳『リコーダーとその音楽』(1985・全音楽譜出版社)』

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世界大百科事典内のリコーダーの言及

【笛】より

… エア・リードは横笛以外の楽器でも利用されている。たとえば縦に構える楽器として,まずリコーダースリン,タイのクルイなどがある。管の上端を一応は閉じてあるが,なんらかの形で狭い隙間(気道)がつくってあり,管端をくわえて吹くと呼気は気道に入って歌口に導かれる。…

【フルート】より

… この種の楽器の歴史は非常に古く,ヨーロッパへは12~13世紀ころ伝えられ,ルネサンス時代に入ると同族楽器だけで,あるいは他の楽器や歌に合わせてアンサンブル用楽器として用いられた。しかしそのための楽器としてリコーダーの方が先んじて完成の域にあり,フルートはようやく17世紀の後半になって,フランスのオットテール一族を中心に改良が行われた。彼らの仕事は室内楽に適する木管楽器を作り,奏法を開発し,作品を書くことであった。…

※「リコーダー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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