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ルーマニア文学 ルーマニアぶんがく Rumanian literature

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ルーマニア文学
ルーマニアぶんがく
Rumanian literature

ルーマニア語で書かれた文学作品の総称。抒情詩叙事詩,演劇,説話などには,文字で記されたもののほかに,豊かな口承文芸の伝統がある。現存するルーマニア語最古の文献は,スラブ語で書かれた 15世紀の宗教文献の詩の行間に見出される翻訳または解釈である。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ルーマニア文学
るーまにあぶんがく

ルーマニア語は、紀元1~3世紀に古代ダキア人の土地(現在のルーマニア)がローマ帝国に征服され、支配された結果、住民の公用語となったラテン語(その口語形である俗ラテン語)から発展してきた言語である。中世のルーマニア人の歴史も、ルーマニア語の歴史も、書かれた文献が存在しないため闇(やみ)に包まれているが、牧畜・農業に携わる民衆の間に豊かな口承文学が発達していたことは、19世紀における民謡・民話の採集からも明らかである。現存するルーマニア語の最古の文献は16世紀前半のもので、16世紀なかばからは、宗教文献の翻訳・出版も行われ、各種の年代記が編まれた。しかし、本来の芸術文学の発展は遅れていた。17世紀後半には、ミレスク、カンテミールらの人文主義的教養を身につけた文人政治家が活躍した。ハプスブルク帝国統治下のトランシルバニアでは、フランス啓蒙(けいもう)主義の影響を受けた宗教家・学者たちが、ルーマニア民族のラテン的伝統を鼓吹する文化運動によって、民族意識の高揚に寄与した。[直野 敦]

近代文学

1848~49年革命の先頭に立ったのは、フランスの社会思想、ロマン派文学の洗礼を受けた若い知識人たちで、伝承文学の宝庫を発掘した詩人アレクサンドリ、流麗な文体で祖国の歴史を描いた革命家バルチェスクNicolae Blcescu(1819―52)などの活躍により、近代文学が確立された。後期ロマン派の詩人エミネスクは、ルーマニア統一国家成立後の現実に対する深い幻滅と憤りを歌って、前人未踏の詩世界を創造し、フィリモンNicolae Filimon(1819―65)、ハスデウBogdan Petriceicu Hasdeu(1838―1907)、スラビッチIoan Slavici(1848―1925)、ザンフィレスクDuiliu Zamfirescu(1858―1922)らの散文、コシュブクGeorge Cobuc(1866―1918)の詩、カラジアーレの喜劇作品は、鋭い社会風刺を通じてリアリズム文学の確立をもたらした。ロシアから亡命した革命家ドブロジャヌ・ゲリャConstantin Dobrogeanu Gherea(1855―1920)、保守派の思想家マイオレスクTitu Maiorescu(1840―1917)は文学批評の発展に大きく貢献した。[直野 敦]

現代文学

20世紀に入ると、一方では、農民と民族的伝統を創作の中心に据えた農村文学派の潮流が、批評家ヨルガ、詩人ゴガOctavian Goga(1881―1938)、小説家サドビャヌらによって推進され、西欧との文化的共時化を主張する近代派文学は批評家ロビネスクEugen Lovinescu(1881―1943)、小説家カミル・ペトレスクCamil Petrescu(1894―1957)、レブリャヌ、詩人アルゲージらの活躍によって大きな影響力を及ぼした。詩人哲学者ブラガ、批評家カリネスクGeorge Clinescu(1899―1965)らは独自の道を歩んだ。
 第二次世界大戦後は社会主義文学が主流となり、戦前派作家に続いて小説家スタンク、プレダMarin Preda(1922―80)、イバシュクAlexandru Ivasiuc(1933―77)ら、SF文学のコリンVladimir Colin(1921―91)その他、詩人ラビシュNicolae Labi(1935―56)、スタネスクNichita Stnescu(1933―83)、劇作家ドミトル・ポペスクDumitru Radu Popescu(1935― )、批評家ドミトレスク・ブシュレンガZoe Dumitrescu-Buulengaらが活躍した。第二次大戦後国外にとどまり、あるいは亡命した作家としては宗教学・宗教史の世界的権威としても有名なミルチャ・エリアーデMircea Eliade(1907―86)、『二十五時』の作者ビルジル・ゲオルギウVirgil Gheorghiu(1916―92)などがおり、1970年代後半から89年にいたるチャウシェスク政権の下で反体制派として活動した詩人ブランディアナAna Blandiana(1942― )、ディネスクMircea Dinescu(1950― )、小説家ブズーラAngustin Buzura(1938― )らも現代文学の代表である。[直野 敦]

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