ローン(読み)ろーん(英語表記)Albrecht von Roon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ローン」の意味・わかりやすい解説

ローン
Roon, Albrecht Theodor Emil, Graf von

[生]1803.4.30. コルベルク近郊プロイスハーゲン
[没]1879.2.23. ベルリン
ドイツ,プロシアの軍人,政治家。ビスマルク,大モルトケとともにドイツ帝国建国の三大支柱の一人。 1816年プロシア軍に入り,59年中将となって軍制改革委員会に加わり,同年末陸相となって,宮中軍事官房長官 E.マントイフェルや参謀総長モルトケの支援を得て軍制改革を推進し,軍の近代化に力を注ぎ,国民の反対を押切って強制徴兵制度を拡充した。これらの改革は有名な憲法闘争を引起したが,対オーストリア,対フランスの両戦争におけるプロシア大勝の主因となった。 71年ビスマルクの跡を継いでプロシア首相となったが,病気のため翌年辞任。 73年元帥。主著は『地理学,民族学および国家学綱要』 Grundzüge der Erd-,Völker-und Staatenkunde (3巻,1847~55) 。

ローン
Loon, Hendrick Willem van

[生]1882.1.14. ロッテルダム
[没]1944.3.11. コネティカット
オランダ生れのアメリカの歴史家,美術史家。日本ではバン・ルーンと呼ばれている。 1903年アメリカに移住,アソシエイテッド・プレスの通信員として長年ヨーロッパ諸国に滞在。かたわら歴史,美術史を研究し,帰米後は著述活動に専念した。主著『オランダ共和国衰退』 Fall of the Dutch Republic (1913) ,『オランダ王国勃興』 Rise of the Dutch Kingdom (15) 。

ローン
lawn

粗い密度の薄地平織物。かつてリネン製造が盛んだったフランスのラン Laonに由来する語とされる。経緯に 60番手以上の主として綿糸を使い,薄糊仕上げで張りがある。綿糸のほか,麻,レーヨン,ポリエステル系の糸も用いる。漂白地,色無地,プリント地のほか糸染による縞,格子柄があり,ブラウスハンカチーフ,造花,刺繍布地,子供服などに用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ローン」の意味・わかりやすい解説

ローン(貸出)
ろーん
loan

もともとは貸出、融資、借款などを意味することばであるが、日本では、一般的に消費財・サービス購入資金や住宅資金など個人向けの貸出をローンとよぶことが多い。住宅ローン、自動車ローン、ピアノ・ローン、フリー・ローンなどがそれである。しかし、個人向け以外にも、協調融資団結成による国際貸出のシンジケート・ローンや中小規模企業向けの商工ローンなどのようにも用いられる。

[井上 裕]


ローン(Albrecht von Roon)
ろーん
Albrecht von Roon
(1803―1879)

プロイセンの将軍。ユンカー出身。1859年陸軍大臣に任命される(~1873)。陸軍増強のため軍制改革を議会に提案したが、議会多数派が反対して憲法紛争が起こる。62年、窮地に陥った国王ウィルヘルム1世にビスマルクを首相として推薦。以後、プロイセン・オーストリア戦争(1866)、プロイセン・フランス戦争(1870~71)でビスマルクを助け、ドイツ帝国建設に貢献した。73年、一時プロイセン首相となったが、病気で辞任、引退した。

[木谷 勤]

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