精選版 日本国語大辞典 「住宅ローン」の意味・読み・例文・類語
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一戸建てやマンションなどの住宅(宅地を含む)の購入資金や新築・増築・改築資金を調達するために金融機関から受ける融資のこと。住宅は個人の買い物として高額であるため、融資・返済期間は10年~30年超と、一般ローン商品より長期となるのが一般的である。民間金融機関にとって、融資期間が長期にわたる住宅ローンは、メインバンク(主取引金融機関)として顧客を囲い込む効果が期待できることから、個人向けの代表的融資商品と位置づけられている。
住宅ローンは、金利が借入れ時から全期間変わらない固定金利型と、半年など一定期間ごとに変わる変動金利型、当初の5年間など一定期間は固定金利で残りの期間は変動金利となる金利ミックス型に分けられる。一般に、借入れ時には保証料や取扱手数料がかかる。また、住宅ローンの借り主が死亡あるいは重病になった場合には元利金返済を免除されるなど、さまざまな保障内容の保険がある。なお、契約時に決めた返済額に加えてローンの一部を返済することを繰上げ返済とよび、手数料無料で繰上げ返済できる金融機関が増えている。
日本の住宅ローン残高は2022年(令和4)3月末時点で約211兆円に達している。住宅ローンの元利金の返済を受ける権利(債権)を裏づけに発行される証券を住宅ローン担保証券(RMBS:Residential Mortgage Backed Securities)とよび、世界で広く取引されている。サブプライムローンはアメリカの住宅ローンの一種で、サブプライムローン債権を組み込んだRMBSの信用低下が2008年のリーマン・ショックの引き金となった。
住宅ローンは取り扱う金融機関によって、地方公共団体や旧・住宅金融公庫(現、住宅金融支援機構)などの公的ローンと、都市銀行や信用金庫などの民間ローンに分けられる。住宅ローンの普及は、国民の持ち家取得を促すという国の住宅政策に合致するため、住宅ローンを利用して住宅を購入した場合には所得税が軽減される住宅ローン減税制度が設けられている。また、融資が長期にわたるために貸倒れリスクが大きいこともあり、日本では住宅金融公庫など公的ローン主導で住宅ローンが普及してきた経緯がある。しかし、公的金融が民業を圧迫しているとの批判を受け、2001年(平成13)、当時の小泉純一郎政権は住宅金融公庫による直接融資の段階的縮小を決定。2003年には住宅金融公庫にかわって、民間金融機関が最長35年間、固定金利で住宅取得資金を融資する新型住宅ロ―ン(2004年12月から「フラット35」)が誕生し、2006年度には住宅金融公庫が直接個人へ融資する制度はなくなった。
[矢野 武 2022年11月17日]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…融資の主体によって公的住宅金融(住宅金融公庫等公的機関によるもの)と民間住宅金融(民間金融機関によるもの)にわかれる。また資金利用者によって,個人向け住宅金融(日本では,これを住宅ローンという場合が多い)と住宅等の分譲・賃貸の事業のための事業者向け住宅金融に区分される。住宅金融は一般的に償還期間が長いので,個人向け住宅金融では,年収から支出可能な年返済額と自己資金で個人持家取得が可能になり,住宅取得能力を高める。…
…しかし,不動産金融の流通性にはもともと限度があることなどからこの制度は実際界になじまず,手続の煩雑さもあって,その後はほとんど利用されなかった。 最近になって,住宅ローンとの関係で抵当証券制度を見直そうという動きがある。抵当証券は,当事者間に発行の特約がある場合に限り,抵当権者の申請によって,管轄登記所が発行する。…
※「住宅ローン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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