ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワシミミズク」の意味・わかりやすい解説
ワシミミズク
Bubo bubo; Eurasian eagle-owl
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フクロウ目フクロウ科の鳥。全長約72cm。とくに雌は大きく,翼の開張1.8m,体重4kgに達するものがある。極地圏を除くユーラシア大陸の大部分と北アフリカに分布する。日本では迷鳥として数回記録があったが,1994年に北海道での繁殖が確認された。人里離れた大森林,岩場,荒地に留鳥としてすみ,一年中テリトリーをもっている。羽色は赤みのある黄褐色かクリーム色で全体に不規則な縞や斑がある。体が大きく力が強いので,もっとも強力な夜の猛禽(もうきん)ということができる。おもな食物はノウサギやネズミなどの中・小型の哺乳類だが,鳥類もよくとらえる。体重13kgのシカを倒した記録があり,キツネ,テン,イタチなどの肉食獣,ガンなど大型の鳥類,ハヤブサ,ノスリなどの猛禽さえも捕食する。巣はテリトリーの中の岩棚,大木のうろ,カラスの古巣などから条件のよい1ヵ所を選び,巣材はほとんど使わず,3~5月ころ1腹2~3個の卵を産む。
執筆者:竹下 信雄
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鳥綱フクロウ目フクロウ科の鳥。全長70センチメートルに達するもっとも大形のフクロウ類の一つで、寒帯を除くユーラシア全土とアフリカ北部に分布する。朝鮮半島と樺太(からふと)(サハリン)、南千島でも繁殖するが、北海道や本州ではまれに冬鳥として渡来するのみである。全身が褐色で、濃褐色の斑(はん)が散在する。大きな羽角があり、目の色は赤褐色。森林から岩山までさまざまな環境のなかに生息することができ、夜間に、見張り場とする樹枝や岩壁の上で待ち伏せして、ノウサギやキジ類などを捕獲し、自分の数倍の体重をもつ13キログラムのシカを殺した例もある。岩棚や木の洞を巣とし、2~3卵を産んで35日間抱卵する。なお、南北アメリカにはやや小形のアメリカワシミミズクB. virginianusが生息する。
[竹下信雄]
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