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ワシントン条約 ワシントンじょうやく Treaty of Washington

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ワシントン条約
ワシントンじょうやく
Treaty of Washington

1871年アメリカイギリスの間に結ばれた条約。南北戦争中に両国間に生じた種々の問題の解決をうたってはいたが,実際上はアメリカとカナダの問題,特に漁業権と水利権のからまる問題がこの条約で解決された。

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ワシントン条約
ワシントンじょうやく
Washington Convention

1973年にアメリカ合衆国ワシントンD.C.で採択され,1975年に発効した野生動植物保護のための国際条約。正式名称は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora; CITESという。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

ワシントン条約

正式名称は絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)。国際取引を規制することで野生生物の保護をめざす。対象には生物のほか、剥製、加工品、毛皮、牙なども含まれる。1972年、国連人間環境会議で条約の必要性が提案され、73年、ワシントン会議で条約が採択された。日本は80年に批准。現在、留保しているのはクジラ類6種。条約では動植物の危機に瀕している度合いによって付属書I、II、IIIと分けている。付属書Iの動植物は商業目的の取引は全面禁止、付属書IIは輸出国政府が発行する許可書か証明書が必要。日本は95年6月に、象牙やべっ甲業者に在庫量の届け出を義務付け、加工品の流通を規制。2002年の第12回締約国会議では、ボツワナナミビア南アフリカの象牙の在庫を04年5月以降、1度だけ輸出することが認められた。

(杉本裕明 朝日新聞記者 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ワシントン条約

絶滅のおそれがあり保護が必要と考えられる野生動植物の国際取引を規制する条約。締約国は今年2月現在で175。日本は1980年に批准した。規制は厳しい順に付属書1~3に分類される。付属書2は「現在は必ずしも絶滅のおそれはないが、取引を厳重に規制しなければ絶滅のおそれのあるもの」で、ワニやニシキヘビリクガメチョウザメなど約3万3800種が記載される。

(2012-07-17 朝日新聞 朝刊 2総合)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

ワシントン‐じょうやく〔‐デウヤク〕【ワシントン条約】

1973年にワシントンで調印された国際条約「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」の通称。対象となる種を付属書で示し、剥製(はくせい)・製品なども含めて輸出入を規制。日本は1980年(昭和55)加盟、1987年(昭和62)に国内法制定。
[補説]英語表記Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Floraの頭文字を取って、CITES(サイテス)ともいう。

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百科事典マイペディアの解説

ワシントン条約【ワシントンじょうやく】

正称は〈絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約〉。1975年に発効。対象は約3万4000種で,緊急性に応じて一切の商取引を禁じるもの,輸出国の許可がなければ商取引のできないもの,規制のもとで商取引が可能なものの3つのランクに分けられ,それぞれ付属書のI,II,IIIに掲載される。

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世界大百科事典 第2版の解説

ワシントンじょうやく【ワシントン条約】

正式名称は〈絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora〉。略称CITES。通称はこの条約採択のための全権会議が開催された地名にちなむ。1972年6月,ストックホルム開かれた国連人間環境会議の勧告の一つ〈野生動植物の特定の種の輸出,輸入及び輸送に関する条約案を作成し,採択するために,適当な政府又は政府間組織の主催による会議をできるだけ早期に召集する〉に従って,73年ワシントンにおいて,そのための全権会議が開かれ,3月3日,冒頭に示す名称の条約が採択され,75年7月1日より発効した。

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大辞林 第三版の解説

ワシントンじょうやく【ワシントン条約】

正称,絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約。1973年ワシントンにおける会議で採択,75年発効。日本は80年加入。CITES(サイテス)。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ワシントン条約
わしんとんじょうやく
Washington Convention

国際取引によって生存を脅かされている野生動植物の保護を目的とする条約。正式には「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)。略称CITES(サイテス)。この条約は、1973年にワシントンで開かれた国際会議で採択されたために「ワシントン条約」とよばれる。発効は1975年。当時の日本は世界有数の野生動植物とその加工品の輸入国であったため早期加入が求められていたが、国内法の整備に時間がかかり、1980年(昭和55)に60番目の締結国となった。2013年時点で、締結国は178か国。
 絶滅の危機に瀕(ひん)しているにもかかわらず野生動植物あるいはそれらを加工した製品の売買は、世界的に増える傾向にある。野放図(のほうず)な乱獲や過剰とも思える取引は野生から動物や植物を次々と減らしていく。ワシントン条約は国際的取引を規制することによって、野生生物を絶滅からあるいは絶滅のおそれから守ろうとする国際条約である。絶滅の程度の高いものから付属書の形でに分けられ、文中で具体的に規制する種を細かく定め、輸出入を規制している。
 付属書は、事実上輸出入の取引ができない厳しいものだが、締結国は特定の動物や植物について留保すれば、その種に限り条約非締結として除外扱いされる。日本は、2013年(平成25)時点で、付属書のクジラ7種と付属書のサメなど9種が留保扱いとなっている。留保という抜け穴によって、本来商取引が禁じられている種の取引であっても例外扱いとなる。これにより、国内の利益のために留保を継続し、条約によって保護されている原産国の種の自然保護政策をないがしろにしてしまうおそれがある。留保はワシントン条約にみられる諸問題のなかでもっとも深刻なものとしていまも残っている。
 また、ワシントン条約や外国為替(かわせ)及び外国貿易法(外為(がいため)法)などによる輸出入の取引規制だけでは、不法に取引されたものについての国内流通は規制できないという問題がある。このため、国内での売買を規制(禁止)する希少野生動植物の国内での取引の規制法(譲渡法。正式には「絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等に関する法律」)が制定され、1987年(昭和62)に施行された。その後譲渡の規制に関する法律は改められ、1992年(平成4)に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)が成立した。譲渡法は種の保存法のなかに吸収された。
 この法律では、「野生動植物が、生態系の重要な構成要素であるだけでなく、自然環境の重要な一部として人類の豊かな生活に欠かすことのできないものであることに鑑(かんが)み、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を図ることにより良好な自然環境を保全し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする」と、野生生物がいかに大切であるかが書かれている。そして「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存のための総合的な施策を策定し、及び実施するものとする」とも書かれているので、「ワシントン条約」とこの「種の保存法」とで、多くの人たちが野生生物の種は、これまで以上に守られると期待した。
 種の保存法では、日本国内で絶滅のおそれのある、それぞれの種を具体的に指定し、そのうえで捕獲、譲渡、輸出入にかかわることを規制した。種の保存法は、指定された野生生物の種の生息地の開発などを含め、譲渡法よりいっそう広い範囲をカバーする法律となっている。それらについては生きた動植物だけではなく、剥製(はくせい)や標本、鳥類の卵も規制の対象となる。また規制に違反した場合には罰則が課せられる。
 条約の付属書には、かならずしも絶滅のおそれの大きくない種までも加えられているため、それらを規制するのはおかしいという議論も起こっている。しかし、絶滅のおそれのある種に限らず「絶滅予備軍」の種も規制の対象としてこそ保護の有効性は増すと主張する国々もある。付属書に新たに加えられたり、削除される種のそれぞれについては、2年に一度開かれる締結国会議で討議されていく。
 付属書に記載されている種の捕獲、譲渡、輸出入の禁止あるいは規制の強化で、野生動植物の保護を図るだけでなく、条約の主旨に沿い、種の保全と持続可能な利用(サスティナブル・ユース)までを図りながら、絶滅の危機が回避された種や増加している個体群の利用についての意見調整をするのも、締結国会議の重要な役割となっている。
 またそのうえに、この会議の特色の一つは、非政府組織(NGO)の自然保護団体が参加できることにある。その一つにトラフィックTRAFFIC(野生動植物国際取引調査記録特別委員会the wildlife trade monitoring network)がある。トラフィックは、野生の動物や植物およびそれらを原料とする製品の国際取引に目を光らせモニター(勧告)するための国際的なネットワークで、ワシントン条約の全体を知ることができる組織である。本部はイギリスに置かれ、世界各地に26のオフィスがある。WWF(世界自然保護基金)とIUCN(国際自然保護連合)とは不即不離の関係にあり、国際取引の統計データを検証し、取引の動向をつかみ分析し、政府や民間機関への報告書をつくる。条約に違反する密輸品を洗い悪徳業者をマークする、いわゆるワシントン条約のGメンの役割を担っている。ワシントン条約をめぐる、表に現れにくいさまざまな事柄を、たてまえでなく、保護に関する実態を追求していくことにトラフィックの意義はある。
 ワシントン条約は政府間の条約であるにもかかわらず、トラフィックをはじめ環境保護団体の締結国会議への参加と発言が認められている。その種を規制し、付属書のからへと規制を緩めるか、からへ規制を強めるかなどを締結国会議で決めるとき、トラフィックは議決権はないが発言できる。そこに市民レベルの声が反映され、表決にも大きな影響力をもってくる。[加瀬信雄]

アフリカゾウ問題

1989年の会議ではアフリカゾウが付属書の種からに格上げされた。当初南部アフリカ諸国(ジンバブエ、ボツワナ、ナミビア)はアフリカゾウを自国の自然経済資源だとする立場から許可制取引の付属書を主張し、一方で欧米諸国は付属書への格上げの主張を繰り返した。両案とも否決され議案は暗礁に乗り上げてしまった。結局アフリカゾウは付属書の動物とするが、絶滅の危機の少ない地域個体群については将来付属書に戻すための特別な検討方法を、次回会議までに確立することで提案は決着された。その結果、1992年の京都会議において、アフリカゾウは持続可能な利用を図るに足る個体群であり、象牙(ぞうげ)の取引などを通じて密猟防止その他にかかる費用を得なければ保護はできないと南部アフリカ諸国は主張し、条約締結に際しアフリカゾウを留保した。このため、地上最大の動物アフリカゾウを自然保護のシンボルとして、取引は全面禁止で当然とする欧米諸国は激しく反発した。また、南部アフリカ諸国はアフリカゾウを付属書からへ格下げするよう要求、提案したが、採択は見送られ、現状維持となった。しかし、1997年のハラレ会議では、京都会議に続き懸案であったこの問題を、付属書のからへと移し、規制の厳しさを減らすことで解決した。そして限定的だが象牙の取引は再開されることになった。
 持続可能な利用を図りながら条約を遵守する。そのうえで生態系と野生生物を守るためには、この条約に限界があることをアフリカゾウは問題提起しているといえる。[加瀬信雄]

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世界大百科事典内のワシントン条約の言及

【アロエ】より

…実生も可能だが,葉挿しはできない。絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引を制限したワシントン条約のII項にアロエ属の全種が該当し,輸出入に際しては輸出国の輸出許可書が必要とされる。輸出許可書があればI項に指定されているものを除き,商業用の取引ができる。…

【毛皮獣】より

…したがって,毛皮獣には,ヒツジ,ウサギなどの家畜から,イタチ科,イヌ科,ネコ科,アライグマ科,リス科,アザラシ科,モグラ科,有袋類(ワラビー,カンガルー),鰭脚(ききやく)類(オットセイ,アザラシ),霊長類(クロシロコロブス)などの野生動物,1920‐30年代から家畜化されるようになったミンク,キツネなどの毛皮用養殖動物など,多様な哺乳類が含まれる。これらのうち,野生動物の毛皮の取引は,絶滅のおそれのある種の商業取引を規制する国際的取決めであるワシントン条約(CITES)によって,きびしく制限されている。【今泉 吉晴】。…

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