3体の仏像が一つの大きな光背を負う図像をいう。一光とは一つの光背,三尊とは如来を中尊として,その左右に2菩薩を脇侍とする三体一具の仏像のことである。その光背の形は舟形,あるいは1枚の蓮弁を大きくかたどったような形をしており,挙身光ともいう。この一光三尊形式の源流は中国北魏時代の仏像に求められるが,日本の作例では法隆寺金堂に安置される623年(推古31)に造立された釈迦如来三尊像とその光背が最も名高い。両脇侍像は枘(ほぞ)で光背に留められ,三尊が一具であることを強調している。東京国立博物館にある594年(甲寅年銘,推古2)の光背は,仏像は失われているが最も古く,完全な形をみせる作例である。ほかに628年(戊子年銘,推古36)の釈迦如来三尊像と光背(法隆寺),また,いわゆる善光寺式阿弥陀三尊像の祖形ともいうべき如来および両脇侍三尊立像とその光背(東京国立博物館)も当初の姿をよく保存している。
執筆者:光森 正士
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…三尊足下の蓮台は臼形蓮台とよばれ,蓮肉部の高い垂敷蓮華である。光背は大きな舟形光背で,光中に七化仏があり,1光背中に三尊が納まるところから一光三尊と称する。この形式の像は鎌倉時代から流行し,全国に200余体を数える。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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