一家衆(読み)イッケシュウ

デジタル大辞泉 「一家衆」の意味・読み・例文・類語

いっけ‐しゅう【一家衆】

浄土真宗で、本願寺法主と同じ家系一族。のちには末寺寺格を示すものとなり、血縁者以外も加わった。連枝院家いんげ

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精選版 日本国語大辞典 「一家衆」の意味・読み・例文・類語

いっけ‐しゅう【一家衆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 同じ一族に属する人々。
    1. [初出の実例]「武田一家衆の事」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品四〇下)
  3. 真宗一門一家の人々の名称の一つ。特に室町後期の本願寺八世の蓮如(れんにょ)以後の、真宗本願寺法主と同じ家系の一族をいう。寺格を示すものであった。のちに血縁者以外も加わった。今の連枝、院家などの称。
    1. [初出の実例]「次一家衆へは汁三・菜五」(出典:石山本願寺日記‐証如上人日記・天文九年(1540)五月七日)

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改訂新版 世界大百科事典 「一家衆」の意味・わかりやすい解説

一家衆 (いっけしゅう)

中世近世における本願寺歴代宗主(しゆうす)の庶子一族および猶子群の総称本願寺は親鸞墓所の管理から出発した寺で,血脈によって法流を伝持していったため,はじめから強い“家”意識を持ち続けた。戦国期,本願寺は宗主とその庶子・親族団による集権的教団の形成を志向し,従来半ば独立的な地方小教団の指導者であった傍系庶子一族に,新たに一家衆の身分を与え,本願寺の下に吸収していった。彼らは時の宗主にちなんだ法名を下付され,宗主の猶子となることで“一家”を構成した。一家衆とは,広義には一門,院家(いんけ),連枝(れんし)を含み,狭義にはそれら以外の直系・傍系庶子一族を指す。より広義には非血縁坊主衆をも含むが,これは宗主と坊主衆との関係が,法名下付によって名付け親と猶子との関係になっているからである。近世過半の坊主衆が院家,余間(よま)等一家衆身分を得たのはそのためであり,この点にも“家”意識を強く持つ本願寺の特徴が看取される。
一門衆
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