コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

一票の格差 イッピョウノカクサ

5件 の用語解説(一票の格差の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

いっぴょう‐の‐かくさ〔イツペウ‐〕【一票の格差】

選挙で、一人の議員が当選するために必要な得票数が選挙区によって異なること。そのため、有権者の一票の価値に格差が生じることをいう。→定数不均衡
[補説]選挙区の有権者数を議員定数で割った「議員一人当たりの有権者数」が最も多い選挙区Aで50万人、最も少ない選挙区Bで20万人だった場合、一票の格差は2.5倍で、選挙区Aの有権者が持つ一票の価値は選挙区Bの有権者の半分以下(5分の2)となる。こうした格差は、憲法が保障する法の下の平等に反するとして、選挙の無効を求める訴訟が繰り返し提起されている。最高裁判所は、著しい格差(衆院選で3倍、参院選で6倍以上など)が生じた場合に、違憲あるいは違憲状態とする判断を示しているが、事情判決の法理により選挙は有効としている。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

一票の格差

選挙区ごとに議員定数と有権者数が異なることから生じる一票の重み(投票価値)の違い。参院選の選挙制度の決め方について、裁判所は「国会に裁量がある」と認めたうえで(1)憲法が求める投票価値の平等に反する状態になった(2)選挙までにそれを是正しなかったことが裁量権の限界を超えた――といえる時に違憲と判断してきた。(1)のみの場合は、違憲の一歩手前の「違憲状態」と評価される。

(2016-10-15 朝日新聞 朝刊 1総合)

一票の格差

選挙区ごとに議員定数と有権者数が異なることから生じる一票の重み(投票価値)の違い。参院選の選挙制度の決め方について、裁判所は「国会に裁量がある」と認めたうえで(1)憲法が求める投票価値の平等に反する状態になった(2)選挙までにそれを是正しなかったことが裁量権の限界を超えた――といえる時に違憲と判断してきた。(1)のみの場合は、違憲の一歩手前の「違憲状態」と評価される。

(2016-10-15 朝日新聞 朝刊 2社会)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

一票の格差【いっぴょうのかくさ】

国政選挙などで有権者の票の価値が,選出される議員一人当たりの有権者数によって異なり,有権者数が少ないほど価値が増し,多数になるほど価値が下がる現象。選挙区の区割りや議員定数の変更などの調整が求められているが,日本の国会の場合,調整はきわめて不十分なまま推移している。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

一票の格差
いっぴょうのかくさ

選挙区ごとに議員一人当りの有権者数が異なることから、一票の重みに不平等が生じる現象。議員一人当りの有権者数が多い選挙区ほど一票の価値は低くなる。総人口の減少や都市部への人口集中にあわせて、各選挙区の区割りや議員定数是正が必要であるが、日本ではしばしば是正されずに選挙が行われ、一票の格差が広がってきた。2014年(平成26)12月の衆議院議員選挙では一票の格差は最大2.13倍、2013年7月の参議院議員選挙の格差は最大4.77倍であった。参議院選での格差がより深刻なのは、参議院は3年ごとに半数改選が憲法で定められており、選挙区単位である各都道府県に偶数の議員定数を置く必要があることから、区割りの柔軟性が低いためである。第二次世界大戦後、一票の格差是正を求める訴訟は1962年(昭和37)に初めて起こされ、以降、国政選挙のたびに、全国で法の下の平等を主張する弁護士グループなどが選挙無効を求める訴えを起こしてきた。一票の格差を違憲とする最初の最高裁判所判決は1972年12月の衆議院選に対するもので、1976年4月14日に出ている。最高裁の判例によると、憲法違反かどうかは、(1)格差が著しく不平等ならば「違憲状態」、(2)その違憲状態が合理的な是正期間を過ぎたと認められれば「違憲」、という順序で判断するとしている。違憲の場合、選挙結果が有効かどうかも審理し、選挙をやり直してでも不平等を是正すべきと判断すれば、選挙無効判決が出る。2013年3月、広島高等裁判所2012年12月の衆議院選について第二次世界大戦後初めて選挙無効判決を出したが、最高裁は選挙自体は有効としたことから、選挙がやり直された例はない。最高裁は衆議院選について2009年から2014年まで3回連続で「違憲状態」と判断している。このため、2016年5月の国会で衆議院選挙制度改革関連法が成立し、衆議院定数を「0増10減」するとともに、2020年以降、議員定数を人口に比例して配分するアダムズ方式を導入することが決まった。なお海外では、アメリカ下院は選挙区の区割りを不断に見直しているため最大格差は1.88倍(2010年)にとどまる。イギリスは5年ごと、ドイツ連邦議会選挙ごとに区割りの見直しが行われている。[矢野 武]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

一票の格差の関連キーワード当選訴訟法定得票数補欠選挙三ばん多選中選挙区選挙戦予備選挙(presidential primary election)Degree RequirementsDissertation

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

一票の格差の関連情報