一身専属権(読み)いっしんせんぞくけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

一身専属権
いっしんせんぞくけん

権利のうち例外的に権利者個人に専属するもの。民法は債権者代位権による行使を禁止し (行使上の一身専属権) ,あるいは相続,承継の対象にならない (帰属上の一身専属権) としているが,両者の範囲は必ずしも同じではない。親族法上の権利は,ほとんどいずれの意味でも一身専属権である。 (→身分権 )

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世界大百科事典 第2版の解説

いっしんせんぞくけん【一身専属権】

ある人の一身に専属し,他人が取得または行使することのできない権利。一般に権利とは,〈ある利益を享受するために法がある人に認めた力〉であるとするならば,本来,権利者だけが権利内容の実現,すなわち権利の行使をなしうるものであって,その権利者を離れて権利の存在を考えることができないということができよう。だから,権利というものは元来,権利者の一身に専属するものであって,権利者以外の者がこれを行使することができない(行使上の一身専属)のはもとより,権利者が権利を他人に譲渡したり,または相続によって他人がこれを承継することのできないもの(帰属上の一身専属)であるということになろう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

一身専属権
いっしんせんぞくけん

とくにその人自身に帰属させなければ意味のない権利、あるいはその人自身でなければ行使できないような権利をいう。前者は帰属上の一身専属権、後者は行使上の一身専属権とよばれる。このような権利は、その権利をもっていた人が死亡した場合にその相続人に承継されない(民法896条但書)し、かわって行使することができない(同法423条1項但書)。一身専属権の例としてあげられるのは、親権や扶養請求権、夫婦間の契約取消権など身分法上の権利が多い。また、財産上の権利のなかでも、たとえば、信用を基礎とする代理権や、雇用契約に基づく労働義務、委任契約に基づく事務処理などは、一身専属の権利・義務とされる。[高橋康之]

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