三婆(読み)サンババア

デジタル大辞泉 「三婆」の意味・読み・例文・類語

さん‐ばばあ【三婆】

歌舞伎で、時代物の老母役のうち、最も至難とされる三役。「菅原伝授手習鑑すがわらでんじゅてならいかがみ」の覚寿、「本朝廿四孝ほんちょうにじゅうしこう」または「信州川中島合戦しんしゅうかわなかじまかっせん」の勘助の母、「近江おうみ源氏先陣館げんじせんじんやかた」の微妙みみょう

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精選版 日本国語大辞典 「三婆」の意味・読み・例文・類語

さん‐ばばあ【三婆】

  1. 歌舞伎時代物の老母役のうち、最もむずかしい役とされる「近江源氏先陣館」の微妙(みみょう)、「菅原伝授手習鑑」の覚寿、「本朝廿四孝」(一説に「信州川中島合戦」)の勘助母の三役の称。

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改訂新版 世界大百科事典 「三婆」の意味・わかりやすい解説

三婆 (さんばばあ)

歌舞伎の老女大役を三つ選んで〈三婆〉と呼ぶ。《盛綱陣屋》の微妙(みみよう),《菅原伝授手習鑑》の〈道明寺〉の覚寿(かくじゆ),《廿四孝》の勘助母または《輝虎配膳》の勘助母,越路。老女の大役は,ほかにも《忠臣蔵》〈六段目〉のおかるの母や《引窓》の母などがあるが,三婆に選ばれているのはいずれも時代物で,気位が高く男まさりで,息子たちや一族運命を決定づけるような役ばかりである。
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デジタル大辞泉プラス 「三婆」の解説

三婆

1974年公開の日本映画監督中村登原作有吉佐和子脚本井手俊郎、撮影:村井博。出演:三益愛子田中絹代木暮実千代、有島一郎、小鹿ミキ、長沢純、永春智子ほか。第29回毎日映画コンクール女優演技賞(田中絹代)受賞。

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