上関(読み)かみのせき

精選版 日本国語大辞典 「上関」の意味・読み・例文・類語

かみのせき【上関】

山口県南東部、室津熊毛)半島先端部および周防灘長島祝島八島などを含む地名下関中関(現在は防府市)とともに防長三関をなした瀬戸内海要所竈戸関

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改訂新版 世界大百科事典 「上関」の意味・わかりやすい解説

上関[町] (かみのせき)

山口県南東部,熊毛郡の町。1958年瀬戸内海の長島,祝島,八島などからなる上関村が熊毛半島南端の室津村を編入,町制。人口3332(2010)。平地に乏しく,段々畑が開かれ,半農半漁村が多い。近年人口流出が著しく,1965年からの30年間で人口は半減した。ミカン栽培が盛んで,イワシ煮干し(いりこ)が特産。長島北東端の上関は海峡に臨む風光のよい港町で,古くは竈戸関(かまどぜき)といい,賀茂別雷(かもわけいかずち)神社(京都の上賀茂神社)の荘園であった。室町時代勘合船の基地として知られ,近世萩藩の宰判勘場,御茶屋がおかれ,対岸の室津とともに内海航路の要津として栄えた。現在は町役場の所在地で,上関漁港は周防灘小型底引網漁業の一中心をなし,福浦湾に造船団地がある。1969年上関大橋が室津との間に架かって光市からの県道が長島西端四代(しだい)まで通じ,遊漁客が多い。室津背後の皇座(おうざ)山(527m)は瀬戸内海国立公園の一部で,西瀬戸内海の絶好の展望台である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「上関」の意味・わかりやすい解説

上関
かみのせき

山口県南東部,長島の東端にある上関町の中心集落。昔は竈戸関といったが,のち下関に対し,より京都に近いことから上関と呼ばれた。昔から瀬戸内海航路の要港で,中世,近世に繁栄毛利氏江戸時代は上関宰判の勘場がおかれた。現在は小さな漁港だが,往時を偲ばせる家構えや旧跡も多い。

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