下太田村(読み)しもおおたむら

日本歴史地名大系 「下太田村」の解説

下太田村
しもおおたむら

[現在地名]東和町太田おおた

西は阿武隈川およびその支流うつし川に境され、東は外木幡そとこはた村、南は上太田村に接する南北に狭長な村。中心集落の若宮わかみや飯野いいの(現飯野町)小浜おばま(現岩代町)を結ぶ道路と二本松針道はりみちを結ぶ道路が交差する交通の要地で、「相生集」に「相馬道中の駅家也」と記されている。中世には「北かた村」と称していたとみられる。天文二三年(一五五四)一月一五日の石橋尚義充行状(松藩捜古)によると、「北かた村おきのたい」が斎藤七郎右衛門尉に与えられており、「北かた村」の注に「北方村トハ小瀬川ヨリ東北ヲ称ス、今ニ小瀬川ヲ限リニシテ南郷北郷ト称シ分カテリ」とある。また弘治三年(一五五七)三月吉日の大内四郎衛門・同常陸等連署下地借状(同書)によると、「おふ田むらの内おきのたハ」の下地が一三貫文で一〇年間大内四郎衛門らに貸与されている。


下太田村
しもおおだむら

[現在地名]茂原市下太田

黒戸くろど村の北東に位置し、中央を阿久あく川が南流する。中世は西の上太田村とともにおおだ郷に含まれていた。字吉祥谷きつしようやつの顕本法華宗大森山万光まんこう寺が所蔵する応永一六年(一四〇九)三月三日在銘の梵鐘(県指定文化財)に「上総国二宮庄邑郷大森山満光寺洪鐘」とみえる。これに対し、同寺所蔵の元和三年(一六一七)在銘の鰐口には「上総国埴生郡太田郷万光寺」とあり、近世には太田の字があてられている。なお当時は埴生はぶ郡に所属していたのであろうか。


下太田村
しもおおたむら

[現在地名]姫路市勝原区下太田かつはらくしもおおた

よろ村の北に位置し、村のほぼ中央部を大津茂おおつも川が南流する。北西は檀特だんとく(一六五・一メートル)を境に矢田部やたべ(現太子町)、西は同村枝郷の矢田部出屋敷、東は当村枝郷の出屋敷でやしき(現太子町)揖東いつとう郡に属する。「和名抄」に載る揖保郡大田おおた郷の遺称地とされる。慶長国絵図に村名がみえる。領主の変遷は西脇にしわき村と同じ。寛永一三年(一六三六)の龍野領村々高辻帳(八瀬家文書)では池田輝政による内検地高六六〇石余、高五四六石余。


下太田村
しもおおたむら

[現在地名]盛岡市下太田

東流する雫石しずくいし川の南岸に位置し、西は中太田村。西端に古代の志波しわ城跡がある。古くは太田村と称し、貞享(一六八四―八八)頃に当村と上太田村・中太田村に分村したというが(管轄地誌)、「雑書」慶安四年(一六五一)一〇月五日条に下大田村とみえる。同書同条によると、先年当村の検地を命じられた際、肝入右京から「外記持地之田を畠ニ仕、御検地為仕候所ニ、頃日畠を田ニ仕、其上去年御検見之時隠田仕候」という主旨の書付が提出されたことが知られる。天和二年(一六八二)の惣御代官所中高村付には蔵入高一千四〇二石余とあり、七ヵ年平均の免は四ツ二分五厘六毛。


下太田村
しもおおたむら

[現在地名]原町市下太田

東流する太田川の北岸に位置し、東は大甕おおみか村、西は中太田村、対岸益田ますだ村。中世から近世には太田村の内で、明暦二年(一六五六)当村および上太田村・中太田村に分村(相馬藩政史)。天保郷帳には「古者 下太田村・道内新田弐ケ村」と注記される。明暦二年の高七〇二石余(相馬藩政史)元禄郷帳によると高四七五石余、ほかに道内どううち新田三三三石余があり、字道内迫どううちさく付近とみられる。なお元禄検地高は七七〇石余、ほかに新田三八石余がある(奥相志)


下太田村
しもおおたむら

[現在地名]矢板市下太田

矢板村の北に位置し、なか川が西部を、うち川が東部を南流する。一説では正保三年(一六四六)に太田村が上下に分村したという。慶安郷帳では高三六〇石余、田方三一五石余・畑方四五石余、幕府領。延享四年(一七四七)下総佐倉藩領となり幕末に至る。寛文四年(一六六四)検地が行われ、田三三町六反余・畑一五町三反余・屋敷三三筆六反七畝余(矢板市史)。元禄郷帳の高三六一石余。延享二年頃の家数三三(同書)。天保年間(一八三〇―四四)の家数一六(改革組合村)


下太田村
しもおおたむら

[現在地名]旭村下太田

大谷おおや川東岸にあり、北は沼に臨む。南は上太田村。江戸時代は天領で、元禄郷帳の村高は二四九石余、幕末は天領二五八石余、廃跡竜光りゆうこう院除地一石余(各村旧高簿)。「新編常陸国誌」には「大谷川、本郷、舟場ノ三地ヲ統ブ」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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