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不登校(登校拒否) ふとうこうとうこうきょひ School Refusal

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家庭医学館の解説

ふとうこうとうこうきょひ【不登校(登校拒否) School Refusal】

[どんな病気か]
 小学生中学生高校生に広くみられる「学校へ行かない」あるいは「行かれない」現象であり、特定の病気ではありません。怠学(たいがく)とは異なり、さまざまな心理的要因を基盤とします。
 思春期の子どもたちは、情緒発達にともなう不安定さと社会性の獲得にともなう葛藤(かっとう)のまっただ中におり、日常的な出来事のなかで随時、心を揺らし、悩んだり、考えたり、行動したりしながらこれらを克服しようとしています。しかし、ときに、生じた問題がその子どもの克服する力を超えてしまうことがあり、そのようなときに子どもの示す現象の1つが不登校です。
 その原因を何か1つに求めることは、その子どもを理解するには不十分なばかりか、しばしば的(まと)外れな見方をして、かえって子どもを苦しめてしまうこともあります。少なくとも「子ども自身」「家庭」「学校・仲間集団」の3つのそれぞれの要素についてよく検討して対処する必要があります。
[症状]
 不登校のタイプには、以下のようなものがあります。
●過剰適応型
 親からの分離をしようと、子どもは「背伸び」をして自分をとりまく環境に適応しようとします。「背伸び」自体は健康的なはたらきなので心配せず見守ることが必要ですが、結果として成功せず、挫折(ざせつ)した場合にみられる不登校がこのタイプです。
 主として親や学校の示す期待を負おうとする子どもに多く、このタイプの不登校が生じると、子どもの挫折はそのまま親あるいは教師の挫折となり、おとなの心へも動揺をひきおこします。
 子どもに対する強い期待が子どもの心の余裕を奪って疲労困憊(ひろうこんぱい)させていることにおとなが気づかないと、ヘトヘトの子どもに「がんばっていい子だ」とさらなる無理を知らず知らずのうちに強要していたり、がんばったはての子どもの挫折を「根性がない」と一方的に責めるといった、まちがった対応をしてしまいます。
●受動型
 中学・高校年代の荒々しくなった仲間集団や、それに対応して厳しく指導が行なわれる学校の雰囲気に圧倒され、不登校に陥るタイプです。
 この型には幼いころから受身的・消極的な子どもが多いようです。子どもに「従順さ」を過度に求める傾向のあるおとなは、子どもの従順さによって自分の権力や能力を確かめようとしていることに気づきにくいものです。
●衝動統制未熟型
 衝動をコントロールして行動することが苦手なために自己中心的な振る舞いが多く、仲間集団の暗黙のルールが読めずに、みんなとズレた振る舞いや加減を知らない乱暴な振る舞いをしてしまう子どもたちが、仲間集団や学校との摩擦を生じ、結果として孤立するために登校する意欲を失ってしまうといった型の不登校です。
 これは注意欠陥(ちゅういけっかん)・多動性障害(たどうせいしょうがい)の子どもにみられる不登校を典型例として想定されています。このような子どもの行動は「しつけの欠如」や「わがまま」ではありません。このような子どもをむやみに叱(しか)りつけることは「自分はだめな子だ」「自分は悪い子だ」といった思いを助長し、子どもの自尊心をさらに傷つけてしまいます。
●境界例型
 中学年代以降の比較的高学年にみられます。多彩な神経症症状や問題行動に加え、不安定な対人関係や、急に激しい怒りを爆発させたり、自傷行為や自殺企図に走るといった衝動性などがおもな特徴です。対人関係を求めず閉じこもりがちな生活を延々と送り、社会的な能力を発展させてこないような青年もいます。
[日常生活の注意]
 不登校のさなか、子どもの多くは、理由は何であれ、学校へ行っていない自分を責め、親を悲しませていることを知っており、心を閉ざして自分を守る反面、孤独のただ中におかれています。原因やきっかけがあったとしても、子どもたちは「学校に行っていない」だけで十分に「悪い子」になったと自分を責めている以上、原因解決をしようなどと簡単には思えません。子どもの心の真の理解を深めるために、少なくともおとなたちはこのような時期をできるだけ早く乗り越え、落ちついて判断することがたいせつです。そして「学校に行かない子ども」の心にゆっくりと付き添っていくことはいうまでもありませんが、子どもは孤独や不安のあまりに、暴力や自分を傷つける行動や、自殺をほのめかすことも少なからずみられ、対応に苦慮するものです。
 ここで大事なことは、親や周囲のおとなは、暴力や自傷行為を無視したりせず「してはいけない」と伝えることなのです。これは挫折して自尊心を失いかけている子どもにとって、自分を取り戻す過程としてきわめて重要なことです。伝えるおとなの側にも、もちろん重大な責任を担うという覚悟(かくご)がいるわけで、ここで真に子どもの心と対峙(たいじ)することになるといっても過言ではないでしょう。子どもの不登校の相談にのってくれる機関は、近年増えてきており、児童相談所や児童精神科のみならず、各学校の窓口、地域のフリースクールなどがあります。まず親が足を運び、信頼できるところへ継続的に相談をもちかけるとよいでしょう。

出典|小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

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