中国銀行(読み)チュウゴクギンコウ(英語表記)Bank of China Ltd.

デジタル大辞泉 「中国銀行」の意味・読み・例文・類語

ちゅうごく‐ぎんこう〔‐ギンカウ〕【中国銀行】

中国の商業銀行の一。1912年、政府の中央銀行として設立。1949年の中華人民共和国成立後は中国人民銀行の監督・指導下に入り外国為替専門銀行となる。1979年、人民銀行から分離して国務院直属に、1994年には商業銀行へと転換。2004年に民営化本店北京ペキン

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精選版 日本国語大辞典 「中国銀行」の意味・読み・例文・類語

ちゅうごく‐ぎんこう‥ギンカウ【中国銀行】

  1. 中国人民銀行の監督・指導下に業務を行なう、中国唯一の外国為替専門銀行。国務院に直属する。清末の戸部銀行大清銀行が前身。辛亥革命後、中華民国の中央銀行となる。国民政府時代には、宋家の官僚資本形成の中核であったが、中華人民共和国成立後、接収され現在に至る。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「中国銀行」の意味・わかりやすい解説

中国銀行
ちゅうごくぎんこう
Bank of China Ltd.

中国の大手商業銀行。中国語では中銀もしくは中行、英語ではBOCと略される。以前は、中国人民銀行(中央銀行)を除けば、国内最大規模の外国為替(かわせ)専門銀行であったが、1994年の金融制度改革により国有商業銀行となり、さらに2004年には株式会社化された。

 中国国内に現存する銀行のなかではもっとも長い歴史をもつ。中国銀行は1905年に清朝(しんちょう)政府が設立した戸部銀行(こぶぎんこう)を前身として1912年に設立された。設立から1928年までは政府の中央銀行としての機能を担った。1928年に改組され、上海(シャンハイ)に本店を置く政府特許の外国為替専門銀行となった。1949年、中華人民共和国建国後は中国銀行の名称は保持しつつ中国人民銀行の海外業務局に改組され、銀行としての独立性を失った。改革開放の開始後、1979年に人民銀行から分離、独立。1980年代なかばの銀行間業務の相互乗入れ容認後は、外国為替業務を主体に外貨・内貨の預金・貸付業務など多様化を進めた。外国為替銀行であったという性格上、日本や欧米など先進諸国やアジアの主要都市に支店をもち、中国の銀行として唯一の国際業務を行っている。国際金融市場から中国への資金調達窓口として果たしてきた役割は大きい。1980年には外国人が中国で旅費や買い物の支払いに用いる外貨兌換券(だかんけん)を発行(1994年廃止)。1982年には香港(ホンコン)に本店直属の港澳管理処(こうおうかんりしょ)を設立し、香港・マカオ支店とその傘下銀行によって形成される香港・マカオ中銀集団を一括して管理していた。香港・マカオ中銀集団は1994年から香港上海銀行、スタンダード・チャータード銀行に次ぐ第三の香港ドル発券銀行となった。なお、1994年には中国の金融改革により国営の商業銀行となった。一方、1995年には香港とマカオで銀行券の発行を開始。1997年にはロンドンで中国銀行国際持株有限公司(コンス)を開業した。2001年10月、中国銀行グループの10の加盟行の合併の結果、香港分行は「中国銀行(香港)」として独立している。

 2004年8月、中国銀行は株式会社化を実施した。同行は中国の四大商業銀行の一角を占め、ユニバーサル・バンキング(預金貸付業務から証券、保険業務にまで及ぶ多角的な業務形態)を志向しているといわれる。2008年9月以降、ユーロ外貨預金業務の開始、人民元現金両替業務の拡大等により、徐々に経営規模を拡大している。2018年時点の預金残高は14兆8836億元、総資産は21兆2673億元。また、貸出金は11兆8193億元。57か国・地域に業務展開を行っており、従業員数は31万0119人。

[上川孝夫・佐藤秀樹 2019年5月21日]

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改訂新版 世界大百科事典 「中国銀行」の意味・わかりやすい解説

中国銀行 (ちゅうごくぎんこう)
Zhōng guó yín háng

中国の外国為替専業銀行。国民政府時代は中央,交通,中国農民各行とともに,政府支配下の四大官僚資本銀行として国の財政経済を独占的に牛耳った。その前身は,清朝末期に創立された戸部銀行で,1908年(光緒34)大清銀行と改称され,辛亥革命後の12年2月,官民共同出資の中国銀行となった。27年,国民政府は大量の政府株を導入することによって,この銀行を専有し,特許の国際為替銀行とし,国内外の大都市に分店,支店を網羅して金融界を支配した。中華人民共和国の成立後撤収され,改組されて,中国人民銀行管理下の外国為替銀行となった。79年,国務院の直属となり,総行を北京,分支行を全国各港湾や主要都市に配置して,為替取引業務や貿易,非貿易関係の外国為替の収支決算のみならず,計画的に外資の導入や輸出入資金の処理をはかり,大々的に国内建設を推進している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中国銀行」の意味・わかりやすい解説

中国銀行
ちゅうごくぎんこう
Zhong-guo yin-hang; Chung-kuo yin-hang

中国,清末から現代にいたる主要銀行。光緒 30 (1904) 年清朝の政府銀行である「戸部銀行」として発足,同 34年に大清銀行,1912年に中国銀行となる。国民党南京政府時代には本店を北京から上海に移し,国際為替業務専門となり,また「法幣」の発行権を与えられた。「四大家族」の一つである宋家 (中心は宋子文) の拠点ともなった。 49年の人民共和国成立後は,公私合営となり,中国人民銀行の国際為替業務の一部を代行している。また一部は台湾に逃れて同様の業務を行なっている。

中国銀行
ちゅうごくぎんこう

地方銀行。1930年に岡山で第一合同銀行と山陽銀行の合併により中國銀行として創立。営業基盤は瀬戸内経済圏にあり,1988年の瀬戸大橋架橋により営業圏が拡大した。また,国際的には 1986年に包括コルレス行の承認をとり,ホンコンに支店をもつほか,ニューヨーク,上海,シンガポール,バンコクに駐在員事務所をもつ。1990年商号を現名称に変更。2012年にはインターネット支店も開設した。

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百科事典マイペディア 「中国銀行」の意味・わかりやすい解説

中国銀行[株]【ちゅうごくぎんこう】

岡山県を地盤とする地銀上位行。1878年に第八十六国立銀行が創業。その後,岡山県下の銀行は,第一合同銀行(1919年創業)と山陽銀行(1924年創業)を中心に再編を続け,1930年に両行が合併し,中国銀行を設立。県下唯一の普通銀行となる(現在は第二地銀あり)。県内のほぼ全市町村に店舗を配置し,堅実経営で知られる。本店岡山市。2011年資本金151億円,2011年3月期経常収益1362億円。売上構成(%)は,中小企業等向け68,住宅・消費者向け25。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「中国銀行」の解説

中国銀行

正式社名「株式会社中国銀行」。通称「中銀ちゅうぎん」。英文社名「The Chugoku Bank, Limited」。銀行業。昭和5年(1930)「株式会社中國銀行」設立。平成2年(1990)現在の社名に変更。本店は岡山市北区丸の内。地方銀行。岡山中心に香川・広島・兵庫県などに展開。堅実経営に定評。東京証券取引所第1部上場。証券コード8382。

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