中学校(旧制)(読み)ちゅうがっこう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

中学校(旧制)
ちゅうがっこう

第二次世界大戦前の男子中等教育機関で、中等以上の社会の男子を対象として進学準備教育を施す、エリート養成的教育機関の性格を帯びていた。中学校は1872年(明治5)の学制に端を発するが、その基礎が成立したのは、86年の中学校令によってである。これは、中学校を高等中学校(修業年限2年)と尋常中学校(5年)の二段階構成とし、前者は文部大臣の所轄する官立として全国に五校設置し、後者は府県立(各府県に一校)としたのである。その後94年に高等学校令が定められて、前者は高等学校と改称され、大学の予科的なものとされ、続いて99年の中学校令の改正によって、後者は中学校(修業年限5年)と改称され、「中学校ハ男子ニ須要(すよう)ナル高等普通教育ヲ為(な)スヲ以(もっ)テ目的トス」(1条)と定められた。こうして中学校は、上級学校、とりわけ大学予科的な高等学校に進学するための準備教育を施す男子高等普通教育機関としての性格を帯びるに至った。その後、大正末期から昭和初期にかけて学校数も生徒数も増加して(1930年に557校、34万5691人)、関連する社会階層も広がり、中等教育の一元化も図られたが、高等普通教育を施すという中学校の性格は変わることのないまま終戦を迎えた。戦後、学校教育法(1947)のもとで、中学校のほとんどが新制の高等学校に改編された。[津布楽喜代治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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