久松潜一(読み)ひさまつせんいち

精選版 日本国語大辞典 「久松潜一」の意味・読み・例文・類語

ひさまつ‐せんいち【久松潜一】

国文学者。愛知県出身。東京帝国大学教授契沖研究、さらに「万葉集」や和歌史の研究へと展開し、体系的国文学思潮史を構築した。著に「万葉集の新研究」「日本文学評論史」など。明治二七~昭和五一年(一八九四‐一九七六

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デジタル大辞泉 「久松潜一」の意味・読み・例文・類語

ひさまつ‐せんいち【久松潜一】

[1894~1976]国文学者愛知の生まれ。上代から中世にわたって実証的な国文学研究の確立貢献。著「日本文学評論史」など。

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改訂新版 世界大百科事典 「久松潜一」の意味・わかりやすい解説

久松潜一 (ひさまつせんいち)
生没年:1894-1976(明治27-昭和51)

国文学者。愛知県生れ。1919年東大国文学科卒業。第一高等学校,東京大学の教壇に立って長らく国文学界の指導的地位にあり,55年東大を定年退職後,慶応大学,鶴見女子大学の教授を歴任,ほかにも多くの門下を育成した。東大の卒業論文に契沖の生涯学問の全像の研究をまとめて古典文学研究の方法を体得し,佐佐木信綱らとともに《校本万葉集》(1924-25)の作成に尽力したが,以後日本文学の全領域にわたり文学理念,文学思潮の追求を軸とする体系的研究を進めた。代表的著作に《日本文学評論史》(5冊,1936-50)などがあり,《久松潜一著作集》(12冊,1968-69)に全業績が収められている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「久松潜一」の意味・わかりやすい解説

久松潜一
ひさまつせんいち
(1894―1976)

国文学者。愛知県知多郡藤江村(現東浦(ひがしうら)町)に重治郎・ひさ長男として生まれる。第八高等学校、東京帝国大学国文科を卒業。第一高等学校教授を経て、東京大学教授となる。東大定年後は、慶応義塾大学、国学院大学、鶴見女子大学等の教授を務めた。文学博士、日本学士院会員。契沖(けいちゅう)、『万葉集』に始まったその研究分野は広く上代・中古・中世にわたり、実証的な国文学研究の確立に貢献した。主著『日本文学評論史』『和歌史』など。66年文化功労者として顕彰された。

久保田淳

『『久松潜一著作集』12巻・別巻一(1968~69・至文堂)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「久松潜一」の意味・わかりやすい解説

久松潜一
ひさまつせんいち

[生]1894.12.16. 愛知,藤江
[没]1976.3.2. 東京
国文学者。文学博士。第八高等学校を経て 1919年東京大学国文学科卒業。 1936~55年東京大学教授。 1947年学士院会員。契沖の研究から出発し,『校本万葉集』の編纂に加わり,和歌史,文学評論史を中心に国文学の近代的研究の基礎を築き,多くの学者を育成した。主著『万葉集の新研究』 (1925) ,『上代日本文学研究』 (1928) ,『日本文学評論史』 (5巻,1936~50) ,『国文学通論』 (1945) 。 1966年文化功労者。

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百科事典マイペディア 「久松潜一」の意味・わかりやすい解説

久松潜一【ひさまつせんいち】

国文学者。愛知県生れ。東大国文科卒。佐佐木信綱橋本進吉らと《校本万葉集》の編纂(へんさん)に参加し,《万葉集の新研究》《万葉集考説》などの著がある。和歌史および歌論を中心とする文学評論史の研究に努め,大著《日本文学評論史》全5巻を完成。著作集12巻がある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「久松潜一」の解説

久松潜一 ひさまつ-せんいち

1894-1976 大正-昭和時代の国文学者。
明治27年12月16日生まれ。佐佐木信綱の娘婿。昭和11年東京帝大教授。のち慶大教授。契沖(けいちゅう)研究からスタート,文芸批評の歴史,和歌史を中心に文献学的・実証的な古典文学研究方法を確立した。日本近代文学館の設立にも力をつくした。14年学士院賞。41年文化功労者。昭和51年3月2日死去。81歳。愛知県出身。東京帝大卒。著作に「日本文学評論史」「日本歌論史の研究」など。

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