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人的資本理論 じんてきしほんりろんhuman capital theory

世界大百科事典 第2版の解説

じんてきしほんりろん【人的資本理論 human capital theory】

資本とは投資によってその価値を増大させることのできる財貨であるが,この考え方を投資対象としての人間に適用したものが〈人的資本〉の概念である。すなわち,人間の経済的価値を投資によって高めることができるという考え方である。人的資本理論は1950年代以降とりわけアメリカの経済学界を中心に活発な研究が行われるようになり,今日では経済学の重要な研究分野として定着するようになった。人間の経済的価値を決める重要な尺度はその人の生産的な能力や資質であり,それは市場で賃金率の形で評価される。

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世界大百科事典内の人的資本理論の言及

【教育の経済学】より

…教育のもつ経済的側面を経済学の論理や手法(たとえば費用・便益分析)を用いて考察しようとする応用経済学の一分野。とくに教育の労働者の質に与える効果を考察するので,人的資本理論と重なり合うところが多い。教育の労働者の質を高める効果は,19世紀の経済学者,たとえばJ.H.vonチューネンやA.マーシャルらが注目していたが,第2次大戦後,経済発展が各国の関心事になるにつれて教育の経済的効果が再認識され,1960年代に入ってから教育の経済学は急速な展開をみるに至った。…

【シュルツ】より

…農業が土地の制約によって生産性の向上が遅く,経済成長につれ食糧供給が不足するというマルサス,リカード以来の既成観念を打破し,教育による農民の能力の向上と科学研究による技術の発展により農産物の供給が需要を上まわって増加し,農業の産業調整が先進国経済における主要な農業問題となる過程を解明した。この理論を一般化し,経済成長の源泉として物的資本の増大よりも,教育等による人間能力の向上が重要であるとする人的資本理論(〈教育の経済学〉の項も参照)を展開し,経済発展の理論と発展途上国開発政策の前進に大きく貢献した。1979年ノーベル経済学賞受賞。…

※「人的資本理論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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