今井登志喜(読み)イマイトシキ

デジタル大辞泉 「今井登志喜」の意味・読み・例文・類語

いまい‐としき〔いまゐ‐〕【今井登志喜】

[1886~1950]西洋史学者。長野の生まれ。東大教授都市の発達史に業績をあげた。著「歴史学研究法」「英国社会史」など。

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精選版 日本国語大辞典 「今井登志喜」の意味・読み・例文・類語

いまい‐としき【今井登志喜】

  1. 西洋史学者。長野県出身。東京帝国大学教授。軍部圧迫に対し学問の自由、大学の自治を守る。著「英国社会史」「歴史学研究法」など。明治一九~昭和二五年(一八八六‐一九五〇

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20世紀日本人名事典 「今井登志喜」の解説

今井 登志喜
イマイ トシキ

大正・昭和期の歴史学者 東京大学名誉教授。



生年
明治19(1886)年6月8日

没年
昭和25(1950)年3月21日

出生地
長野県諏訪郡平野村(現・岡谷市)

学歴〔年〕
東京帝大文科大学史学科〔明治44年〕卒

経歴
一高教授から大正10年東京帝大講師、12年助教授を経て、昭和5年教授。14年文学部長となり、軍部、右翼勢力に対抗し、大学の自治を守る。政治、外交史を超えた西洋史概説を確立、専門のイギリス史研究でもイギリス通史を完成。都市発達史研究では、地図を利用して人口、立地条件などを実証的に考える研究方法論を開拓した。22年退官、23年名誉教授。登呂遺跡調査委員長、諏訪市研究にも尽力した。「都市発達史研究」「西洋政治史」「英国社会史」「歴史学研究法」などの著書がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「今井登志喜」の意味・わかりやすい解説

今井登志喜
いまいとしき
(1886―1950)

歴史学者。長野県諏訪(すわ)に生まれる。1911年(明治44)東京帝国大学文学部を卒業。21年(大正10)同大学文学部講師となり、助教授を経て30年(昭和5)教授となり、ファシズム下の39~44年には文学部長を務めた。リベラルな学風人柄学生敬愛を集め、日本における西洋史学の水準の向上に大きな貢献をした。在職中は著書を出さなかったが、26年間の講義の主要なものは門下生によってまとめられて刊行された。『西洋政治史』『英国社会史』『近世における繁栄中心の移動』『都市発達史研究』は、従来の政治史よりも、社会史、文化史を重視するその学風を伝え、また『歴史学研究法』は総合を尊ぶその方法論を明らかにしている。

[今井 宏]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「今井登志喜」の意味・わかりやすい解説

今井登志喜
いまいとしき

[生]1886.6.8. 長野,平野
[没]1950.3.21. 東京
歴史家。東京大学文学部卒業後,26年間同大学で西洋史,史学概論の講義に専念,その間 1939~44年文学部長をつとめ,47年定年退職。リベラルな人柄ときびしい学風で学生を導いた。主著『英国社会史』 (1948) ,『都市発達史研究』 (51) ,『歴史研究法』 (53) は,いずれも講義録である。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「今井登志喜」の解説

今井登志喜 いまい-としき

1886-1950 大正-昭和時代の歴史学者。
明治19年6月8日生まれ。一高教授をへて,昭和5年母校東京帝大の教授となり,14年から19年まで文学部長をつとめる。都市の発達史を中心に西洋とくにイギリスの社会史を研究。昭和25年3月21日死去。63歳。長野県出身。著作に「英国社会史」「都市発達史研究」など。

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367日誕生日大事典 「今井登志喜」の解説

今井 登志喜 (いまい としき)

生年月日:1886年6月8日
大正時代;昭和時代の歴史学者。東京大学教授
1950年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の今井登志喜の言及

【西洋史学】より

… 第1次大戦後の世界情勢の変化に対応して,ロシア史やアメリカ史への関心も芽生えたが,この分野の研究は長いあいだ啓蒙的な性格を脱せず,社会経済史,国制史にいたっては,日本史の分野に比べてはなはだしく立ち遅れていた。しかしその中にあって,箕作の自由主義的歴史観を受け継ぐ今井登志喜(1886‐1950)が,大正末期いらいの日本における社会問題の深刻化に触発されつつ,イギリス社会史,都市発達史など斬新なテーマと取り組み,社会経済史的な考察方法を導入したことは,先駆的な意義をもっている。また上原専禄のドイツ中世史研究は,原史料の綿密な操作という点で,これまた画期的なものであり,その学統は経済史の面では増田四郎(1908‐97),国制史の分野では堀米庸三(1913‐75)に継承されて,第2次大戦後の西欧中世史研究を基礎づけることとなった。…

※「今井登志喜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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