今昔操年代記(読み)イマムカシアヤツリネンダイキ

デジタル大辞泉 「今昔操年代記」の意味・読み・例文・類語

いまむかしあやつりねんだいき【今昔操年代記】

西沢一風著作。享保12年(1727)刊。上下2巻。豊竹座竹本座のひいき客同士の言い争いを老人仲裁するという体裁で、浄瑠璃歴史太夫語り口への批評をまとめたもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「今昔操年代記」の意味・わかりやすい解説

今昔操年代記 (いまむかしあやつりねんだいき)

人形浄瑠璃の歴史書。正本屋九左衛門(西沢一風)撰。1727年(享保12)刊。上下2巻。下巻には〈こんじゃく〉のふりがながあり,序文は〈近来操年代記〉,内題は〈浄瑠璃来暦〉となっており,通称《操年代記》と呼ぶ。大坂安居の料理屋で竹本,豊竹両座のひいきが論争するところへ,この道に詳しい老人が仲裁に入って古事を語って聞かせる形式で,井上播磨掾(じよう),宇治加賀掾古浄瑠璃から説き起こし,竹豊両座の由来,当時までの浄瑠璃太夫伝記,批評が記述してある。人形浄瑠璃の歴史を扱った書物としては最初のもので,浄瑠璃作者であった著者の筆だけに内容的に信を置くことができる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「今昔操年代記」の意味・わかりやすい解説

今昔操年代記
いまむかしあやつりねんだいき

浮世草子体の浄瑠璃史書。正本屋九左衛門 (→西沢一風 ) 著。上下2巻。享保 12 (1727) 年刊。古浄瑠璃末期から義太夫節成立期までの事情近松門左衛門功績をはじめ,代表的浄瑠璃作者,太夫の語り口などについて,著者の見聞中心に記している。

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