他山の石(読み)タザンノイシ

  • たざん
  • の 石(いし)
  • 他山
  • 他山(たざん)の石(いし)

デジタル大辞泉の解説

よその山から出た、つまらない石。転じて、自分の修養の助けとなる他人の誤った言行。「他社の不祥事他山の石として会計の透明化をはかる」→他山の石以て玉を攻むべし
[補説]質の悪い石でも玉を磨くのに役立つということから。
文化庁が発表した平成25年度「国語に関する世論調査」では、本来の味とされる「他人の誤った言行も自分の行いの参考となる」で使う人が30.8パーセント、本来の意味ではない「他人の良い言行は自分の行いの手本となる」で使う人が22.6パーセントという結果が出ている。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

とっさの日本語便利帳の解説

もともとは中国の古典詩経』からのことばで、よその山から出た粗悪な石も、自分の玉磨くのに利用できるという意味であり、そこから、他人のつまらない言行も、自分の人格を作るための反省材料とすることができるという比喩に用いられる。よって「他山の石」自体は、他人のよくない言行のことをいうのであり、人格形成のためのよい目標といった意味でこれを使うことはできない。基本的には悪口なのである。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

自分の石をみがくのに役にたつほかの山の石の意。転じて、自分の修養の助けとなる他人の言行。自分にとって戒めとなる他人の誤った言行。
※集義和書(1676頃)一五「他山の石はあらきが故に、よく玉をみがくといへり。君子の徳を大にするものは小人也」

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ことわざを知る辞典の解説

自分の玉をみがく砥石として役立つ、よその山から出た粗悪な石。転じて、人の誤った言行も自分の修養の助けにできる。

[使用例] 日本の文化を論じるときに、フランスではああだ、こうだというのは、他山の石にはなるかもしれないけれども、革命を行った国と革命を行わない国をごっちゃにしては、やはりおかしいと思うわけです[桑原武夫*日本文化の考え方|1961]

[解説] 「詩経―小雅・鶴鳴」の「他山之石、以て玉をみがくべし」から出たことばで、かつては、主として小人の言行を見てを高めるという文脈で用いられていました。しかし、今日では、「他山の石とする」という形で、直接かかわりのない者や遠く離れたところで起きた事例から学ぶ意で用いられます。

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故事成語を知る辞典の解説

他人のつまらない行動や、自分とは直接の関係がないものごとも、自分の行動の参考にできることのたとえ。

[使用例] スウェーデンでは愛鳥教育を隣人愛の基礎として小学正課に採り入れているという。これは他山の石である[中西悟堂思索エッセイ|1980]

[由来] 「詩経しょうかくめい」の一節から。「他山の石、もって玉をみがくべし(宝石が取れる山ではない、別の山から取ってきたありふれた石でも、宝石を磨くことはできる)」とあり、古来、つまらない人物の言動でも、そんなことはしないように心がければ、自分を向上させるための材料になる、という意味だと解釈されています。転じて、直接の関係がないものごとからも学ぶことができる、という意味で使われます。

[解説] 他人のつまらない行動ではなく、他人のよい行動から学ぶ場合に使うのは、本来は誤用。しかし、最近ではよく見られる使い方です。

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