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赤石山脈北部,長野県(伊那市)と山梨県(南アルプス市)の県境にある山,標高3033m。仙丈岳ともいい,千丈ヶ岳とも書く。伊那谷側では前岳と呼ばれたこともあった。構成岩層は,白亜系の白根層群の砂岩,ケツ岩,粘板岩などからなる。北方の馬ノ背尾根,南方の仙塩尾根(通称,馬鹿尾根),西方の地蔵尾根,北東にある小仙丈岳から北沢峠へ下る尾根などを遠望したときに見られる豊かな山容は,〈南アルプスのクイーン〉と呼ばれている。山名の由来には,標高が千丈をこえるからという説,頂上部付近に千畳におよぶ広さの凹地があるという説がある。仙丈ヶ岳は,大規模なお花畑のあるところとして有名で,とくに藪沢の源流部付近,大仙丈岳東斜面付近,小仙丈沢カール付近など,標高2500mをこえる高山帯のお花畑はみごとである。西麓の市野瀬から地蔵尾根を経て,頂上の前岳三柱大神へ参詣する登山道が以前からあったが,1980年に開通した南アルプス林道によって北沢峠から容易に登山できるようになった。
執筆者:有井 琢磨
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長野、山梨の県境にある南アルプス(赤石山脈)北部の主峰。標高3033メートル。尾根を四方に延ばし、伊那(いな)盆地からは目だつ存在である。山頂付近は赤石層に属するチャートや砂岩からなる。山頂は小仙丈ヶ岳、仙丈ヶ岳、大仙丈ヶ岳の三つのピークに分かれ、それぞれの頂上近くに氷食地形である藪沢(やぶさわ)、仙丈、小仙丈の三つのカールが形成されている。仙丈カールの堆石(たいせき)(モレーン)上に仙丈小屋がある。カールを中心にタカネウスユキソウ、センジョウアザミなど高山植物の宝庫といわれている。1980年(昭和55)の南アルプス林道の開通で北沢峠までバスで行くことができ、峠から頂上まで約4時間で登山できる。山頂からは北方に鋸(のこぎり)岳や甲斐駒(かいこま)ヶ岳、南に南アルプスの連山など雄大な眺めが楽しめる。
[小林寛義]
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