赤石山脈中部,長野・静岡県境にある山。標高3047m。かつては間(あい)ノ岳と呼ばれていた。山頂は西側に天狗岩,東側に北俣岳の岩峰を従えた端麗な双耳峰で,三角点は西峰にある。山頂から森林限界まで比高約400mの間は露岩,がれ場となり,乾性の高山植物が岩陰に群落をなしている。中生代の変質した黒色泥岩からなり,特に北壁は〈塩見岳バットレス〉の別称もあるほどの荒涼たる絶壁である。一方,北俣岳から蝙蝠(こうもり)岳にかけての山稜は緩やかで展望もよい。3000m級の山としては比較的容易に登ることができ,三伏峠から白根三山の縦走によることが多い。三伏峠は標高2580m,長野県伊那谷と山梨県富士川谷とをつなぐ峠として,1875年に開かれた。
執筆者:鈴木 郁夫
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長野・静岡県境、赤石山脈(あかいしさんみゃく)の中央部にある山。同山系の3000メートル以上の九高山の一つ。標高3047メートル。南アルプス国立公園内にある。森林限界から上の山頂一帯は特別保護地区に指定されている。また、山頂から太平洋が見えるため「汐(しお)の見える山」としてこの名がある。西の本谷(ほんたに)山と北の北荒川岳の中間に位置し、ほぼ東西の稜線(りょうせん)をもつ。南側は大井川源流の一つである西俣(にしまた)が落ち込み、北側は三峰(みぶ)川が大きく湾曲しながら山脚をえぐる。南の荒川岳にはカール、モレーンなどの氷食地形があるが、この山では雪食地形が報告されているにすぎない。塩見岳の登山路は、鳥倉から三伏(さんぷく)峠に出て本谷山から塩見小屋、塩見岳へ至るのが一般的。ただし往復13時間(休憩含まず)、標高差約1300メートルあり経験者向きである。
[吉村 稔]
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