九州北東端に突出する半島。もと福岡県企救郡,現在は大部分が北九州市門司区,一部は小倉北区,小倉南区に属し,関門海峡をはさんで下関市と相対する。北部は中生層,大部分が古生層で構成され,足立山(598m)を主峰とする傾動地塊の企救山地からなる。西の海峡側は直線的な断層海岸で,港の背後に門司の市街が急傾斜の山腹まで発達する。東の周防灘側は緩傾斜で,リアス海岸に農漁村が分布していたが,1962年から大規模な埋立て(628万m2)工事が進められて新門司臨海工業地域に変貌しつつある。北部の早鞆(はやとも)ノ瀬戸に臨む和布刈(めかり)公園は瀬戸内海国立公園に含まれ,関門一帯を展望できる景勝地で,関門橋,関門トンネル人道入口,和布刈神事で知られる和布刈神社,ビルマ僧(ミャンマー僧)のいる世界平和パゴダなどがある。北東端の部崎(へさき)灯台に近い青浜に県天然記念物の梅花石(ウミユリの化石を含む輝緑凝灰岩)岩層があり,足立山,風師山(362m)などは北九州国定公園に指定されている。
執筆者:土井 仙吉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
九州本島の北東端に位置する半島。長さ約15キロメートル、幅約5キロメートル。関門海峡と周防灘(すおうなだ)を境し、北九州市門司区(もじく)、小倉南区(こくらみなみく)・小倉北区に属する。足立山(あだちやま)(598メートル)を主峰とし、中生層が広く分布する企救山地よりなる。西側は急な断層崖(がい)で直線的な海岸線となり、狭い沿岸低地から山腹まで市街地が発達、1953年(昭和28)には集中豪雨で大きな被害を受けた。東側は緩傾斜となり、海岸線はリアス海岸で屈曲に富み、小沖積低地が発達、農漁業地域であったが、近年は裏門司総合開発計画により柄杓田(ひしゃくだ)、恒見(つねみ)付近に大規模な埋立て工事が進行している。北部の早鞆ノ瀬戸(はやとものせと)に臨む和布刈(めかり)公園は眺望に恵まれ、瀬戸内海国立公園に含まれ、源平の合戦ゆかりの地としても有名である。国道トンネル、関門橋により自動車交通が、海底トンネルにより山陽本線と東海道・山陽新幹線が本州と通じ、九州交通の要衝となっている。
[石黒正紀]
「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...
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