鹿児島県北西部にある県内最大の盆地。東から北は肥薩国境の山地,西側は出水(いずみ)(紫尾)山地に囲まれる。東西幅最大20km余,南北25kmの縦長紡錘形で,盆地底の標高は200m。盆地底をやや西にかたよって羽月川が流れ,盆地南部を西から東に流入する川内(せんだい)川に北から合流する。盆地底はこれら河川の沖積平野で,伊佐米で知られる県下有数の米産地である。標高がやや高いので冬季は県下でも比較的寒冷であり,少しは雪が積もる。南西部での川内川流出口には高さ12m,幅210m,県下最大の曾木ノ滝があり,川内川流域県立自然公園の中心になっている。盆地北西1/3が大口市に属し,南東1/3が伊佐郡菱刈町であったが,2008年の合併により,すべて伊佐市域となっている。
執筆者:服部 信彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
鹿児島県北部、伊佐市(いさし)を中心とした盆地。伊佐盆地ともよぶ。北は鹿児島・熊本両県を境する国見(くにみ)山地、東と西はその支稜(しりょう)、南部は国見岳によって囲まれる。川内川(せんだいがわ)流域の盆地で、面積は約43平方キロメートル。標高170メートル内外。川内川はこの南縁に沿って西流するが、国見山地から南流した羽月川(はつきがわ)と盆地の出口付近で合流する。そこには溶結凝灰岩からなる曽木の滝(そぎのたき)があり、ここを通った水流は峡谷を抜けて鶴田ダム湖へ入る。盆地気候を示し、年平均気温は鹿児島市と比較し2℃ほど低い。豊富な水と土地を利用して水田耕作が盛んである。
[塚田公彦]
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