(読み)ネイ

デジタル大辞泉 「佞」の意味・読み・例文・類語

ねい【佞】[漢字項目]

[音]ネイ(漢)
口先がうまい。心がねじけている。「佞奸ねいかん佞言佞臣佞人奸佞邪佞
人あたりがよい。才がある。「不佞
[補説]「侫」は俗字

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精選版 日本国語大辞典 「佞」の意味・読み・例文・類語

ねい【佞】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 人にへつらい、その機嫌をとること。おもねること。また、そのさまや、その人。
    1. [初出の実例]「帝則ち諫に順て政を正し民を撫で賢を招き佞(ネイ)を退け給しかは」(出典太平記(14C後)三〇)
    2. 「心にねいなる事も無し」(出典:仮名草子・竹斎(1621‐23)下)

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普及版 字通 「佞」の読み・字形・画数・意味


7画

[字音] ネイ
[字訓] へつらう・おもねる・よこしま

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(ねい)。〔説文〕十二下に字を女部に属し、「巧みに(へつら)ふ高材なり。女と信の省に從ふ」とするが、金文人名の字があり、声の字とみてよい。その字は女の肩のところに符号的に重点を加えた形で、おそらく佞の初文であろう。もと神につかえる才のある女をいう字と思われる。神につかえる才の及ばぬことを不佞といい、春秋期には〔左伝、成十三年〕「寡人(くわじん)不佞」のように、王侯自ら謙称として用いた。のちよく人につかえるものの意となり、諂佞・姦佞の意となる。〔論語、先進〕に「是の故に夫(か)の佞を惡(にく)む」の語がある。

[訓義]
1. へつらう、おもねる。
2. 口さとい、かしこい。
3. いつわる、あざむく、よこしま、偽善

[古辞書の訓]
〔名義抄〕佞 ヘツラフ・カタム・カタマシ・ミダリガハシ・オコツル・アザムク・イツハル

[熟語]
佞悪佞兌・佞悦・佞説佞猾・佞姦・佞給佞慧・佞険・佞言佞倖佞巧・佞幸・佞才・佞史・佞者佞邪・佞臣・佞人・佞舌佞宋佞諂佞媚・佞弁・佞佞誉・佞惑
[下接語]
愛佞・奸佞・姦佞・佞・狂佞・群佞・佞・巧佞・狡佞・讒佞・邪佞・柔佞・善佞・貪佞・諂佞・不佞・仏佞・忿佞・弁佞・便佞・

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