デジタル大辞泉
「侮る」の意味・読み・例文・類語
あなず・る〔あなづる〕【▽侮る】
[動ラ四]《「あなどる」の古形》軽蔑する。
「かの国の人にも、すこし―・られて」〈源・若紫〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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あなど・る【侮】
- 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙 他人を見下げてばかにする。軽蔑する。みくびる。あなずる。
- [初出の実例]「傲 阿奈止留 又志乃久 又也志牟」(出典:新撰字鏡(898‐901頃))
- 「災変起れば国土乱る。是上慎まず、下慢(アナト)る故也」(出典:太平記(14C後)三五)
侮るの語誌
上代・中古は、「あなづる」が優勢で、それが古形であると言われる。中世になり、次第に「あなどる」の用例が増加する。室町末の抄物類や「甲陽軍鑑」などでは併用されているが、「天草本平家物語」や「天草本伊曾保物語」などのキリシタン資料には「あなどる」だけが見え、「あなづる」はこの頃を境に衰えていったと考えられる。ただし、「日葡辞書」には両形見えるが「あなどる」の方がまさる旨の記述がある。
あなず・るあなづる【侮】
- 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙 ( 「あなどる(侮)」の古形 ) 馬鹿にする。軽蔑する。あなどる。
- [初出の実例]「皆心を同じくして凌ぎ蔑(アナツリ)て曰はく〈興福寺本訓釈 蔑 安奈都利天〉」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
- 「人にあなづらるるもの。築土のくづれ。あまり心よしと人にしられぬる人」(出典:枕草子(10C終)二七)
侮るの語誌
→「あなどる(侮)」の語誌
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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