候人(読み)コウニン

デジタル大辞泉 「候人」の意味・読み・例文・類語

こう‐にん【候人】

中世蔵人所くろうどどころ職員殿上てんじょうに伺候し、御膳宿直の任に当たった。こうじん。
門跡や諸大寺に仕えた妻帯僧形の衆。素絹そけん白袴をつけ、帯刀した。侍法師さむらいぼうし

こう‐じん【候人】

こうにん(候人)

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精選版 日本国語大辞典 「候人」の意味・読み・例文・類語

こう‐にん【候人】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 蔵人所(くろうどどころ)の職員。殿上(てんじょう)に伺候して御膳(ごぜん)や宿直の役目をした人。
    1. [初出の実例]「爰に二条禅定殿下の候人(コウにん)にて有ける上北面」(出典太平記(14C後)三四)
  3. 門跡に召し使われる僧形の衆。大きな寺や院家などにも置かれた。侍法師(さぶらいほうし)
    1. [初出の実例]「一乗院の候人(コウにん)、按察法眼好専」(出典:太平記(14C後)五)
  4. 武家従者で、比較的雇用関係がゆるやかであったものの一つ。〔武家名目抄(19C中か)〕

こう‐じん【候人】

  1. 〘 名詞 〙こうにん(候人)
    1. [初出の実例]「のちに聞けば阪本のかうじん殿原が子と聞く」(出典:本福寺跡書(1560頃)妙専尼懐妊夢相之事)

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普及版 字通 「候人」の読み・字形・画数・意味

【候人】こうじん

古く道路を治め、送迎を掌る。また、斥候。〔左伝、宣十二年〕寡君群臣をして(こ)れをに問はしむ。豈に敢て候人を辱(かたじけ)なくせんや。

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