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先天性尿道狭窄/尿道弁/尿道憩室 せんてんせいにょうどうきょうさくにょうどうべんにょうどうけいしつ Congenital Urethral Stricture / Urethral Valve / Urethral Diverticulum

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家庭医学館の解説

せんてんせいにょうどうきょうさくにょうどうべんにょうどうけいしつ【先天性尿道狭窄/尿道弁/尿道憩室 Congenital Urethral Stricture / Urethral Valve / Urethral Diverticulum】

[どんな病気か]
 尿道内に、生まれつきの原因で線維組織ができて、これによって尿道が狭くなる病気が、尿道狭窄(にょうどうきょうさく)です。
 尿道は、胎児期(たいじき)に前部と後部の尿道が別々につくられ、接合して1本の尿道になりますが、この接合がうまくいかず、後部の尿道の後壁に弁のような薄い膜ができて尿の通過障害をおこすものを、後部尿道弁(こうぶにょうどうべん)といいます。陰茎(いんけい)、陰嚢(いんのう)移行部付近の尿道にできたものは前部尿道弁といい、まれなものです。
 また、生まれつきの原因で、尿道の弱い部分が、排尿の圧力によってふくらみ、袋のようなもの(憩室(けいしつ))ができて、尿道の外側に飛び出したものを尿道憩室(にょうどうけいしつ)といいます。後部尿道憩室は症状が重く、前部尿道憩室は症状も軽く、まれです。
[症状]
 いずれも男児に多く、いきんでも尿がしたたるようにしか出ない、高度の排尿困難がみられ、触れると膀胱(ぼうこう)や腎臓(じんぞう)が拡張しているのがわかることがあります。
 外尿道口に近いほうにできた憩室の場合は、排尿後に憩室にたまっていた尿がしたたってきます。
 残尿が多くなるため、失禁(しっきん)、夜尿(やにょう)、くり返す尿路の感染、発熱などがみられます。とくに後部尿道弁では、新生児期より腎臓や膀胱の拡張がみられ、重い腎機能の低下が現われることがあります。腹部の圧迫や体液異常により、不活発、嘔吐(おうと)、食欲不振栄養不良、身長・体重の増加不良などもおこります。また尿道下裂(にょうどうかれつ)、重複尿道(じゅうふくにょうどう)など他の尿路の形態異常をともなうこともあります。
 女児では、外尿道口近くに狭窄(きょうさく)がみられ、感染の反復や、尿流が細くなるなどの排尿困難がおこります。
[検査と診断]
 造影剤を膀胱内に注入し、排尿時に膀胱や尿道をX線撮影する検査(排尿時膀胱尿道造影(はいにょうじぼうこうにょうどうぞうえい))が重要です。膀胱の出口である膀胱頸部(ぼうこうけいぶ)や、それに続く尿道が拡大、延長しているのがはっきり見られ、狭窄、弁、憩室などはくびれとして映り、それより尿道口寄りの部分で尿が中断し、その先の尿道が細く映ります。さらに内視鏡検査で、狭窄、弁、憩室を確認します。
 膀胱尿管逆流(ぼうこうにょうかんぎゃくりゅう)(「膀胱尿管逆流症」)や水腎水尿管症(すいじんすいにょうかんしょう)などをともなうことがあります。
[治療]
 泌尿器科(ひにょうきか)の小児専門医を受診します。治療は、内視鏡を尿道口から入れて、ナイフで狭窄部を切開したり、弁や憩室を切除したり、焼き切ったりします。大きな憩室の場合は、内視鏡手術よりも切開して切除します。
 進行した後部尿道弁のように、すでに高度の腎不全がおこっていたり、発熱が長く続いている場合は、まず尿道にカテーテル(細い管)を入れたり腹壁を貫き腎盂(じんう)にカテーテル(腎瘻(じんろう))を留置したり、尿管を腹壁にあけたり(尿管皮膚瘻(にょうかんひふろう))、膀胱に腹壁よりカテーテルを穿刺(せんし)・留置(膀胱瘻(ぼうこうろう))したりして、尿を体外に導いて、血液の電解質異常を是正し、腎機能や腎尿管の形態の改善をはかり、全身状態の改善を待ちます。
 こうして、腎臓の機能を回復させたうえで手術を行ないます。弁を内視鏡的に切除、焼灼(しょうしゃく)します。
 手術の効果は、腎臓がどの程度障害されていたかによって決まります。すでに回復不能なまでに腎機能が悪化していた場合、その後の経過はよくありません。

出典|小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

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