党派性(読み)トウハセイ(その他表記)partiality

翻訳|partiality

デジタル大辞泉 「党派性」の意味・読み・例文・類語

とうは‐せい〔タウハ‐〕【党派性】

主義主張などが特定党派にかたよっていること。
マルクス主義用語理論階級性をもつこと。階級社会においては、理論は階級の利害を反映しており、無党派性は支配者階級の主張で、党派の偽装にすぎないとされる。

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精選版 日本国語大辞典 「党派性」の意味・読み・例文・類語

とうは‐せいタウハ‥【党派性】

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Parteilichkeit の訳語 ) マルクス主義の用語で、階級社会では理論や芸術不偏不党ではなく、階級的利害の制約を受けることをいう。
    1. [初出の実例]「愛する文学のためには、党派性なども問題ではなくて」(出典:反動期に於ける文学と哲学(1934)〈戸坂潤〉)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「党派性」の意味・わかりやすい解説

党派性
とうはせい
partiality

思想あるいは組織体において,ある一定の政治的価値への傾斜度が大きいことをいう。党派性の観念を意識的に使用したのはマルクスや,レーニン,また,マルキシズムに影響された K.マンハイムなどである。自由,平等を標榜して成立した近代の政治理論はそれの不偏不党,または普遍妥当性を主張するが,マルクスによれば,それもブルジョア階級の党派性を示す観念にほかならない。レーニンはさらに,プロレタリア階級の独裁に対する正しい理解,プロレタリア独裁に果す前衛党としての共産党の独自の任務に対する党員の意識性の高さ,これらイデオロギーによって武装された共産党が他の政党とは峻別された高度の党派性をもつことがかえって全階級の廃絶を導くものであること,すなわち普遍性に連結すると主張した。

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