埼玉県南東部、東京都に隣接する市。1956年(昭和31)八條(はちじょう)、潮止、八幡(やはた)の3村が合併して八潮村となり、1964年町制、1972年市制施行。約20年間で村から町、町から市へと三段跳びの発展を遂げた。つくばエクスプレスが通じる。また、首都高速6号三郷(みさと)線が走り、八潮と八潮南の出入口がある。東部を中川、西部を綾瀬川(あやせがわ)に挟まれた沖積低地で、各河川沿いには自然堤防が発達している。古くから米作や、ネギを主とした野菜栽培が盛んな農村地帯だった。しかし、都心から20キロメートル圏にあるため、1968年県営草加(そうか)・八潮工業団地、1971年日本住宅公団(現、都市再生機構)の八潮団地、1972年八潮伊草団地が形成され、都市化が著しく進み、人口が急増、農村地帯から工業、住宅都市へと大きく変わった。このため、地盤沈下がひどく、1960年から1975年の間に市域の大半は800~1000ミリメートルの沈下をみた。その後、工業用水法による地下水採取の規制地域に指定され、草加(そうか)市の柿木浄水場から工業用水の給水を受けている。面積18.02平方キロメートル、人口9万3363(2020)。
[中山正民]
『『八潮市史』全12巻(1979~1989・八潮市)』
埼玉県南東端の市。1956年八条・潮止(しおどめ)・八幡の3村が合体して八潮町となり,72年市制。人口8万2977(2010)。東境の中川(古利根川)と西境の綾瀬川にはさまれた標高2~5mの沖積低地からなり,中央部を葛西用水が貫流する。中世の郷名である八条は古代の条里制の遺名とされている。近世に江戸近郊の米作地帯として発展し,中川,綾瀬川の舟運も盛んであった。また江戸後期からは農家の副業として始められたゆかた染の生産は,伝統的な地場産業として知られる。東京都心から20km圏内にあるため,1960年代以降,工場進出,住宅地の造成が進められ,65年には県営草加八潮工業団地が完成して県下有数の工業都市に発展した。85年には首都高速三郷線が開通し,2005年に首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス線も開業して,都内への交通が便利になった。地下水くみ上げによる地盤沈下など,急激な都市化による弊害も生じている。
執筆者:新井 寿郎
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