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兵役制度 ヘイエキセイド

世界大百科事典 第2版の解説

へいえきせいど【兵役制度】

軍隊を編成し,維持し,戦時増勢するために,兵員を集める方法,および軍務に服務させる兵役の種類,服役期間等を定める制度を兵役制度といい,時代により各種の変遷があった。以下に兵役制度の変遷について述べるが,近代以前の中国および日本の兵役制度については〈軍制〉の項目を参照されたい。 古代から中世にかけて,ギリシア等の都市国家では戦争には全市民が兵士となる武装市民軍が見られるが,しだいに職業的軍隊となり,やがて傭兵制へと変化した。

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大辞林 第三版の解説

へいえきせいど【兵役制度】

国家の兵員について、その集め方や種類などを定めた制度。志願兵制度・義勇兵制度・傭兵制度・徴兵制度・民兵制度などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

兵役制度
へいえきせいど

国防に必要な兵員を平時に徴集して軍務に服せしめ、戦時の動員に備えるための制度で、徴集のほかに兵役の区分や年限などについても定める。自由兵役制度と強制兵役制度に大別される。自由兵役制度は、国家の強制によることなく国民が自らの意志で軍務に服する制度であり、志願兵制、義勇兵制および傭兵(ようへい)制が含まれる。志願兵制は、近代国家においてはもっとも一般的なもので、自由意志に基づいて志願する者のなかから兵役適格者を徴集する制度であるが、士気の高揚が期待される反面、一時に多数の兵員を集めることがむずかしいという欠点がある。義勇兵制は、戦時などの際に国民がその職業を捨て、自ら進んで軍務に服するもので、志願兵制の一種である。傭兵制は、おもに金銭契約に基づいて自国民または外国人を雇用し、兵役につかせるもので、起源は古代エジプトといわれ、中世においても広く行われたが、近年ではフランスなどの外人部隊にその姿をとどめるにすぎない。
 強制兵役制度は、一般国民に兵役義務を強制する意味から一般兵役義務制(日本では必任義務制とよばれた)とも称される。特権による免除や金銭による代人制を認めない制度で、徴兵制と民兵制とに分けられる。徴兵制は、憲法や法律によって国民に兵役の義務を課し、その意志によらずに兵役に適する者を強制的に徴集して軍務に服せしめる制度である。大規模な兵力を維持するには最適の制度であるが、若者を一定期間軍隊に拘束するため、経済、社会に与える影響が大きいという難点がある。民兵制は、日常はおのおのの職業についている国民を招集して短期間軍隊に入隊させ、訓練を行い有事に備えるもので、常備軍が小規模ですみ、また国家の生産活動にあまり影響を及ぼさないという長所があるが、部隊の熟練度や即応性という点では不十分である。現在、民兵制を採用している代表例はスイスであり、アメリカ合衆国の州兵もその源をたどれば民兵に行き着く。
 世界各国では、その戦略思想、国防政策および国内事情の違いにより、採用する兵役制度はそれぞれの特徴をもっている。主要国では、イギリス、アメリカ合衆国などが全面的な志願兵制を採用し、旧ソ連をはじめとする社会主義諸国は徴兵制を採用していたし、フランス、ドイツなど西ヨーロッパの主要国および第三世界の多くの国々も徴兵制を採用しているが、徴兵制と志願兵制を併用している国も多い。[亀野邁夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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