内閣官房に置かれた情報調査機関で,内閣参事官室等と並ぶ内閣の補佐部局。内調と略称する。その所掌事務は,〈内閣の重要政策に関する情報の収集及び分析その他の調査に関する事務〉(内閣法14条の3,内閣官房組織令7条)とされ,そこには,各行政機関の行う情報の収集および調査であって内閣の重要政策にかかわるものの連絡調整に関する事務を含むものとされている。1957年8月に内閣調査室として設置され,83年の第2次臨調答申をうけて,内閣機能強化方策の一環として,86年に内閣情報調査室に改組された。内閣調査官15人(うち室長1名),そのほか一般職員で構成されている。その内部体制は,総務部門,国内部門,国際部門,経済部門,資料部門(2001年情報管理部門と改称。04年廃止),内閣情報集約センターに分かれている(01年内閣衛星情報センターを設置)。
国内部門は内閣の重要政策についての国民の意見の収集分析や国内の新聞・放送・雑誌等の論調の収集分析等を,国際部門は外国政府の政策に関する情報の収集分析や外国の新聞・放送・雑誌等の論調その他の国外情報の収集分析等を,経済部門は内外の経済情報の収集分析等を,また,資料部門は電子計算機およびマイクロフィルムの利用・管理その他資料の整理・利用等を,内閣情報集約センターは緊急な情報の集約及び連絡を一括処理するほか,大規模災害その他の緊急事態における情報集約体制の整備,通信社等によるニュースの受信,外国の新聞・放送・雑誌等の論調の収集分析を,それぞれ担当している。
内閣直属の情報調査機関としてみずから情報の収集分析に当たるほか,政府部内の各省庁等の行政機関の情報の収集調査活動の連絡調整をも行う。
執筆者:八木 俊道
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内閣の情報調査機関。1952年(昭和27)第三次吉田茂内閣によって総理府の大臣官房に「調査室」という名称で設置され、1957年内閣官房に移されて「内閣調査室」となり、1986年7月内閣官房の改編に伴い「内閣情報調査室」となった。内閣情報調査室の任務は、「内閣の重要政策に関する情報の収集及び分析その他の調査に関する事務(各行政機関の行う情報の収集及び調査であって内閣の重要政策に係るものの連絡調整に関する事務を含む。)」(内閣官房組織令4条)とされ、その具体的業務は4部門2センターに区分して行われている。総務部門(人事、予算など)、国内部門(国民の意見の収集・分析、国内の新聞・放送・雑誌等の論調の収集・分析など)、国際部門(重要政策の策定にあたって参考となる外国政府の政策に関する情報の収集・分析、外国の新聞・放送・雑誌等の論調の収集・分析など)、経済部門(内外の経済情報の収集・分析など)、そのほか内閣情報集約センター(大規模災害等の緊急事態における情報収集など)および内閣衛星情報センター(日本の安全の確保、大規模災害への対応等に関する画像情報の収集・分析)が置かれている。内閣情報官が内閣情報調査室の事務を掌理するが、警察官僚であることが多い。この機関の活動の全容は情報収集という性格から明らかでない。収集された情報も現在は公表されていない。なお第二次世界大戦中には、情報収集、宣伝などのための国家機関として内閣情報室があった。
[小松 進]
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