地中の水が凍結し,膨張して周囲の土を持ち上げる現象。地上気温が0℃以下の日が何日も続くようになると,地表面の水分が凍結し始め,それから下方に凍結が進行してゆく。地層の中に透水性の悪いところがあるとたまっていた水が凍結し,膨張し,周囲の土を持ち上げて舗装道路に亀裂を生じさせ,また家を傾けたり,鉄道線路をでこぼこにしたりすることがある。最近では凍上のできやすい場所やその機構がわかってきているので,舗装工事には断熱材を入れたり,地中の透水性をよくするために砂や砂利を入れたりの対策が施されている。凍上の規模は気温と地質の状態に影響されるが,多積雪地域では気温が下がっても積雪による保温効果のためそれほど凍結深度は下がらず,凍上も起こらないことがある。
執筆者:菊地 勝弘
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…気温が低くても砂地や砂利の土地には霜柱はできにくい。北海道などの寒冷地で地中の水が凍結して地面を持ち上げたり舗装道路にひび割れをつくったりするのは凍上といい,霜柱とは異なる。【菊地 勝弘】。…
…後者は凍結擾乱(じようらん)作用ともいい,水を含む未固結堆積物の凍結融解による体積変化によって,地表付近の物質の変位・変形をもたらす作用で,以下の諸現象が含まれる。それは,凍結進行時に下部の未凍結部分から毛管現象で水を吸い上げ,氷を析出して地面を押し上げる凍上frost heave,地中の礫が凍上する土に凍着して引き上げられる凍着凍上,それにより地表へ引き上げられる礫の淘汰,地表の収縮および凍結割れ目の形成,凍土中に取り残された未凍結土にかかる凍結圧や,土の粒度組成と水の不均等分布による体積の不等変化が引き起こす物質の集塊変化や貫入などで,斜面ではそれにソリフラクションすなわち水に飽和された表層土全体が,水を潤滑材としてゆるやかに斜面を流れ下る現象が加わる。レスや火山灰など毛管力の強い土は,凍結時に大量の水を吸い上げるので,この作用を受けやすい。…
※「凍上」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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