直径2~3mm,長さ数mmから数cmの細い氷の柱が密集して地面からのびたもの。表面に薄い土の層をのせている場合が多い。関東地方の赤土によく成長するので有名である。霜柱は地中の水が細かい土の粒子の間の隙間を毛細管作用で上がってゆき,0℃の地面にとどいたときに凍ったものである。氷の上端に土の層をのせて,下方は氷の柱になっていることから,氷は根元から成長して本体を押し上げるようにして上方に発達したものであることがわかる。関東地方の赤土によく成長するのは,適当な毛細管ができる性質の土で,地中の水が上がってきやすいのと,地表面の温度が0℃以下くらいになる機会が多いためである。気温が低くても砂地や砂利の土地には霜柱はできにくい。北海道などの寒冷地で地中の水が凍結して地面を持ち上げたり舗装道路にひび割れをつくったりするのは凍上といい,霜柱とは異なる。
執筆者:菊地 勝弘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
土の中の水が土の粒子のすきまを通って上昇して地面に達し、そこで冷えて氷となったもの。地中の水が凍結したものであるから、空気中の水蒸気が凍った霜とはまったく成因が異なる。水が土の中を上昇するのは、土の粒子のすきまの毛管作用によるもので、氷は下方からだんだん上方へ伸びてゆき、氷の柱となる。氷柱はほぼ鉛直に立ち、その長さはときには10センチメートルを超える。
霜柱が発生するのは、地表面の温度が0℃以下の場合である。しかも地中の温度は0℃以上でなければならない。水が毛管作用で上昇することが必要であるからである。土質によって、できたり、できなかったりする。一般に砂地や粘土にはできにくく、関東地方に多い赤土にはできやすい。霜柱は農作物を枯らすことがあり、また霜柱が融(と)けると、ひどいぬかるみをおこす。
[大田正次]
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