朝日日本歴史人物事典 「別源円旨」の解説
別源円旨
生年:永仁2.10.24(1294.11.13)
鎌倉後期・南北朝時代の曹洞宗の禅僧。別号は縦性。越前(福井県)の平氏(合志氏とも)の出身。幼くして出家し,鎌倉円覚寺の来日僧で中国曹洞宗宏智派の禅を伝える東明慧日に参じて曹洞宗旨を学んだ。元応2(1320)年に入元,古林清茂,雲外雲岫,中峰明本 らに参学し,元徳2(1330)年に帰国した。康永1/興国3(1342)年に朝倉広景の招きで越前足羽の弘祥寺を開き,また肥後(熊本県)寿勝寺にも住した。さらに京都の真如寺に移り,足利義詮 に請われて東山建仁寺に住した。在元中の『南遊集』と帰国後の『東帰集』の詩文集を残し,五山の詩僧としても名高い。<参考文献>玉村竹二『五山禅僧伝記集成』,『五山文学全集』1巻
(佐藤秀孝)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報