(読み)フク

デジタル大辞泉 「副」の意味・読み・例文・類語

ふく【副】[漢字項目]

[音]フク(呉)(漢) [訓]そう そえる すけ
学習漢字]4年
主たるものにつき添うもの。控え。「副業副将副賞副食副審副本正副
添える。「副葬副木
余計につけ加わる。「副作用副産物
[名のり]すえ・つぎ・ます

ふく【副】

主なものに伴って補佐となること。また、そのものや人。副知事・副委員長など。
書物書類原本を写した控え。写し。「正二通の申請書」⇔

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精選版 日本国語大辞典 「副」の意味・読み・例文・類語

ふく【副】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 主なものにつきそってその助けとなること。また、そのもの、人。多く、副知事・副委員長・副支配人などの略語としていう。〔英和外交商業字彙(1900)〕 〔漢書‐趙充国伝〕
  3. 書物・書類の原本を写した書き物。うつし。ひかえ。副本。〔漢書‐高恵高后文功臣表〕

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普及版 字通 「副」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(異体字)
20画

[字音] フク・ヒョク・フウ
[字訓] さく・わかつ・そう・ひかえ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(ふく)。盈満の意があり、それを両分することをいう。〔説文〕四下に「(わか)つなり」とあり、正副・副次の意となる。犠牲を殺(たくさつ)することを(ひょく)といい、辜(ひょくこ)という。犠牲を披(ひら)いて城門などに掲げ、風蠱(ふうこ)を防ぐ法として行われた。〔礼記、曲礼上〕「天子の爲に(さ)くときは、之れを副にす」とあり、横切りして四分して用いた。

[訓義]
1. さく、二分する、わかつ、わる。
2. そう、そえる、つきそう、かいぞえ、すけ。
3. うつす、ひかえ、副本。
4. かもじ、髪飾り。

[古辞書の訓]
和名抄〕副車 曾閇久万(そへくるま)。俗に云ふ、比度多万比(ひとたまひ) 〔名義抄〕副 タグヒ・タスク・ヨツキ・ソフ・ツク・ツバビラカニ・カナフ・ツギニ 〔字鏡集〕副 タグヒ・カフル・カナフ・ソヘタリ・ヨツサキ・ツク・カヨフ・ソフ・タスク・スヂ・ツマビラカ

[語系]
副phiukは劈phykと声近く、また剖・phも同系の語で分割・中分の意がある。bioは副馬、また副次の意において通じる。

[熟語]
・副君副啓・副副后副虹副佐副倅・副弐・副二・副次・副車・副主・副書副妾・副将副乗副浄・副職副綏副旦・副馬・副服副封副墨・副本副輅
[下接語]
副・介副軍副・国副・次副・写副・状副・正副・


20画

(異体字)副
11画

[字音] ヒョク・フク・ハク
[字訓] さく・ひらく・わかつ

[説文解字]

[字形] 会意
(ふく)+刀。〔説文〕四下に副を正字とし、「(わか)つなり」と訓し、「禮に曰く、辜(ひよくこ)して祭る」の文を引く。〔周礼、春官、大宗伯〕に「辜を以て四方百物を祭る」とあり、〔注〕に「牲の胸を(ひら)くなり。きて之れを(たく)す」とみえる。大儺(たいだ)(おにやらい)のときには、風蠱(ふうこ)を防ぐために、犬牲をしてこれを城門に掲げた。これを辜という。は器が盈満する形。これを両分することをという。副はその省文ともみられる字形であるが、辜の字に、副は副次の意に用い、慣用に異なるところがある。

[訓義]
1. さく、ひらく、犠牲の胸をひらく。これを風にするためである。
2. わかつ、両分する。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕副・ タグヒ・カフル・カナフ・ソヘタリ・ヨツサキ・カヨフ・ツク・ソフ・タスク・スヂ・ツマビラカ

[語系]
・副phiuk、劈phyek、剖phは声義近く、みな分かち裂く意がある。(ほう)は果実が充実し、ついに剖判する意で、不・丕(ひ)・否・は果の結実し、成熟する過程を示す。は古い字形がなく、系との関係は明らかでない。には盈満の意があるようである。・副はまたbioと声が近く、副次の意がある。

[熟語]

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