勅祭社(読み)チョクサイシャ

デジタル大辞泉 「勅祭社」の意味・読み・例文・類語

ちょくさい‐しゃ【勅祭社】

天皇例祭などに勅使を派遣し、奉幣を行った神社。古くは22社、明治時代には29社あったが、現在は、賀茂別雷神社賀茂御祖神社石清水八幡宮春日大社など16社となった。

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精選版 日本国語大辞典 「勅祭社」の意味・読み・例文・類語

ちょくさい‐しゃ【勅祭社】

  1. 〘 名詞 〙 神社の例祭に勅使が立って奉幣した特別の神社。古くは二二社あったが、明治以後は賀茂別雷神社、賀茂御祖神社、石清水八幡宮、春日大社、氷川神社、熱田神宮出雲大社橿原神宮朝鮮神宮靖国神社明治神宮宇佐神宮香椎宮鹿島神宮香取神宮平安神宮近江神宮の一七社となり、第二次世界大戦後朝鮮神宮が除かれて一六社となる。勅祭神社。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「勅祭社」の意味・わかりやすい解説

勅祭社
ちょくさいしゃ

天皇がとくにその例祭などに定例的に勅使を差遣、奉幣される神社のこと。1868年(明治1)明治天皇は東京奠都(てんと)後、武蔵(むさし)国一宮(いちのみや)氷川(ひかわ)神社(さいたま市大宮区高鼻町)に行幸・親祭し、以後毎年勅使を差遣、奉幣の例をつくり、勅祭社の称が生じた。それより同年神祇(じんぎ)官勅祭社、神祇官直支配社、神祇官准(じゅん)勅祭社等の制も定められたが、71年官国幣社以下の社格制定とともに廃され、83年賀茂別雷(かもわけいかずち)・賀茂御祖(みおや)神社、石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)などが改めて勅祭社とされた。その後増加して、現在、賀茂別雷神社、賀茂御祖神社、石清水八幡宮、春日(かすが)大社、氷川神社、熱田(あつた)神宮、出雲(いずも)大社、橿原(かしはら)神宮、平安神宮、明治神宮、近江(おうみ)神宮、靖国(やすくに)神社の毎年例祭日に、香取(かとり)神宮、鹿島(かしま)神宮の12年ごとの例祭日に、宇佐(うさ)神宮、香椎宮(かしいぐう)の10年ごとの伺定(しじょう)の日に勅使が参向、奉幣され、また香取神宮、鹿島神宮、宇佐神宮、香椎宮の毎年例祭日に奉幣されている。

[鎌田純一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「勅祭社」の意味・わかりやすい解説

勅祭社
ちょくさいしゃ

天皇が特に勅使をつかわし,その祭神に幣帛を奉る (これを勅祭という) 神社。平安時代末期以来の 22社などをいう。明治以後,賀茂別雷 (わけいかずち) 神社,賀茂御祖 (みおや) 神社,石清水八幡宮,春日神社,氷川神社,熱田神宮,出雲大社,橿原神宮,明治神宮,朝鮮神宮,鹿島神宮,香取神宮,近江神宮,平安神宮,靖国神社,宇佐神宮,香椎宮の 17社が勅祭社とされた。第2次世界大戦後は社格としては廃止されたが,朝鮮神宮 (終戦時に解散) を除き,勅祭の儀は今日も続けられている。

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